ミア・モトリー

ミア・アモール・モトリー：バルバドス初の女性首相、そして共和制への道

ミア・アモール・モトリー（Mia Amor Motley）は、1965年10月1日生まれ。バルバドスの政治家であり、2018年から同国の首相を務めています。彼女のリーダーシップの下、バルバドスは君主制を廃止し、共和制へと移行しました。

生い立ちと初期のキャリア

モトリーは、セント・マイケル教区で生まれました。祖父はブリッジタウン市長、父は弁護士でブリッジタウン市議会議員という、政治にゆかりのある家庭で育ちました。国連国際学校やロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで学び、1986年にロンドン大学の学位を取得しています。

1991年に政界入りし、1994年の総選挙で議員に初当選。オーウェン・アーサー内閣で教育・文化大臣に任命されました。大臣在職中は教育関係の著書を出版するなど、教育分野に貢献しました。2001年には、女性初のバルバドス司法長官兼法務大臣に就任。その後、副首相、経済開発大臣を歴任しました。

バルバドス労働党での活動

2008年、モトリーはバルバドス労働党（BLP）の書記長に選出され、市民の権利擁護を誓いました。しかし、2010年の選挙で敗北が続いた責任を取り、書記長の座を退任。2013年に再び書記長に返り咲き、党の立て直しに尽力しました。

首相として

2018年5月24日、モトリー率いるバルバドス労働党は、総選挙で議会の全議席を独占するという歴史的な勝利を収めました。翌日、モトリーはバルバドス初の女性首相に就任しました。首相として、彼女は2035年に満期を迎えるユーロ建て債務の返済が困難であることを発表し、財政再建に取り組みました。

2019年の国際連合総会では、気候変動がカリブ諸国に与える影響について演説し、国際社会に協力を呼びかけました。

共和制への移行

2020年、モトリーはバルバドスを共和制へ移行させ、エリザベス2世を元首から外す計画を発表しました。「ついに植民地時代の残骸を置き去りにする時が来た」と主張し、国民の支持を得ました。2021年7月27日、同年11月30日に共和制へ移行することを宣言。10月にはサンドラ・メイソンが大統領として選出され、11月30日の大統領就任式典を経て、バルバドスは英連邦王国から離脱し、共和制国家となりました。ただし、共和制移行に際して国民投票を実施しなかったため、一部からは「独裁的」との批判も上がりました。

国際舞台での活躍

2021年の国際連合総会では、アントニオ・グテーレス事務総長の前で演説の台本を投げ捨て、気候変動や新型コロナウイルスワクチンの問題に対し、道徳的なリーダーシップを発揮するよう訴えました。その情熱的な姿勢は、国際社会から注目を集めました。2022年には、2期目の首相として再選を果たし、その手腕に更なる期待が寄せられています。

ミア・アモール・モトリーは、バルバドスの歴史を大きく変え、国際社会においても重要な役割を担う政治家として、今後ますますその存在感を高めていくことでしょう。

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