ミカドロイド

『ミカドロイド』

『ミカドロイド』は、1991年11月8日に発売された日本のオリジナルビデオ作品であり、東宝、東北新社、円谷映像の共同制作によって生まれました。この作品は、「東宝シネパック」というブランドの第1作目として位置づけられています。

概要

本作は、旧日本陸軍が開発した最終兵器「百二十四式特殊装甲兵ジンラ號」が現代に甦るという、特撮ホラー映画の形式を取っています。物語は、戦争中の不死身兵士による残虐行為が描かれており、特にスプラッター要素が強い映像表現が特徴です。この作品は、特殊メイクアーティストとして名高い原口智生にとっての初監督作品であり、後に「ガメラ」シリーズで特技監督を務めることになる樋口真嗣にとっても重要な作品となりました。

もともと原口は「大戦中の憲兵がゾンビとして復活する」という設定で『ミカドゾンビ』を構想していました。しかし、当時の東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の影響により、ホラー映画に対する否定的な見解が広まり、製作が中止となってしまいました。最終的に、ゾンビ設定がロボットに変更され、作品が再構築されました。原口は東映からの製作オファーを断り、東宝を選んだ背景にはその独自のテイストを優先したいという意志がありました。

ストーリー

物語は、第二次世界大戦末期の旧日本陸軍が開発した秘密兵器「百二十四式特殊装甲兵ジンラ號」が主軸に据えられています。この人造人間は特殊装甲を装着し、敵地に派遣され、敵を殲滅の後、自爆するという恐るべき兵器でした。しかし、戦局の悪化に伴い、計画は破棄され、ジンラ號やその関連設備は秘密裏に抹消されることとなります。

時は流れ、現代に。長い間埋もれていた秘密研究所の地下で起きた漏電が、何も知らずに眠るジンラ號を目覚めさせてしまいます。そして、彼は再び殺戮を繰り広げ、人々を次々と襲います。しかし、元・不死兵士の生き残りによって、なんとかジンラ號は再び沈黙し、その脅威は終焉を迎えます。

登場兵器

ジンラ號

この不死の人格は全身を潜水服のような装甲で覆われ、耐弾性と積層装甲を具備しています。起動すると無機的な殺戮を行う恐るべき存在です。装備されている武器や自爆装置なども物語の重要な要素を形成しており、その設定は非常に緻密です。特に、ジンラ號は歴史的背景を持ちつつも、フィクションの要素が盛り込まれています。

その他、実験兵士たちの武器や、敵に立ち向かうための兵器が登場し、物語に緊張感を加えています。また、秘密研究所に遺棄された巨大戦車も重要な要素です。

キャストとスタッフ

本作には、多くの才能あるキャストやスタッフが参加しており、特に原口智生が監督と脚本を担当し、樋口真嗣が特技監督を務めています。また、有名な俳優陣も多数出演しており、各々のキャラクターが物語に深みを与えています。

『ミカドロイド』は、特撮映画としてのユニークなアプローチだけでなく、当時の社会情勢や背景を反映した深い内容を含んでいます。映像作品としてのインパクトとともに、観る者に様々な考察を促す作品でもあるのです。

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