ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリン・コンクール

ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリン・コンクール：若き才能の登竜門

イタリアのミラノで開催されていた「ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリン・コンクール」は、世界中から才能ある若手ヴァイオリニストが集う、名実ともに優れたコンクールでした。2016年に閉会したものの、その歴史と輩出した演奏家たちは、音楽史に大きな足跡を残しています。

コンクールの名称は、著名な指揮者クラウディオ・アバドの父であり、自身もヴァイオリニスト、音楽教師として活躍したミケランジェロ・アバドに由来しています。彼の音楽への情熱と、若手への育成への想いが、このコンクールの設立へと繋がったと言えるでしょう。

コンクールへの参加資格は30歳未満のヴァイオリン奏者と、国籍は問いませんでした。世界各国から多くの若者が集まり、激しい競争を繰り広げていました。最高賞である第1位には賞金が贈られ、受賞者にとってはその後の音楽活動における大きなステップとなる貴重な機会でした。特に日本の演奏家が数多くの受賞を果たしており、その実力の高さを示しています。

受賞者リスト（抜粋）

過去の受賞者の中には、既に国際的な活躍を続ける著名なヴァイオリニストも多く含まれています。以下に、いくつかの年の受賞者リストを抜粋して紹介します。

1983年（第3回）
第1位：久保田巧（日本）
1993年
第1位：植村理葉（日本）
1994年
第1位：鷲見恵理子（日本）
1998年
第2位：日下紗矢子（日本）
2002年（第23回）
第2位：鈴木加寿美（日本）
2003年（第24回）
第1位：枝並千花（日本）
2004年（第25回）
第2位：松井利世子（日本）
2005年（第26回）
第2位：石亀協子（日本）、小林正枝（日本）
第3位：Lylia BEKIROVA （ウズベキスタン）、Lioudmila KHERSONSKAYA （ロシア）、Mario DI NONNO （イタリア）
2006年（第27回）
第1位：米元響子（日本）
第2位：Maria AZOVA （ウズベキスタン）
第3位：Andrea TYNIEC （カナダ）
2008年（第28回）
第1位：城戸かれん（日本）
第2位：Anna Koryatskaya (ロシア)、Byun Ye Jin (韓国)
* 第3位：富井ちえり (日本)

このリストからもわかるように、日本のヴァイオリニストが数多く受賞していることがわかります。これは、日本のヴァイオリン教育の高さと、若い世代の才能の豊かさの証と言えるでしょう。

ミケランジェロ・アバド国際ヴァイオリン・コンクールは、2016年に閉会しましたが、その歴史は、音楽界に多くの才能ある若手演奏家を輩出した輝かしいものでした。受賞者たちは、コンクールで培った経験を活かし、世界各地で活躍を続けています。このコンクールの存在は、音楽界にとって大きな意味を持つものであり、今後もその影響は長く残り続けるでしょう。

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