ミシェル・ポルタル

ミシェル・ポルタル（Michel Portal, 1935年11月27日 - ）は、フランスの音楽家です。クラリネット奏者、作曲家として知られ、その活動は多岐にわたります。ジャズを中心に、クラシック音楽、映画音楽など、ジャンルを超えた演奏活動を展開しています。

ポルタルはクラリネットだけでなく、サクソフォーンやバンドネオンも演奏し、指揮者としても才能を発揮するなど、多彩な音楽家としての顔を持っています。特に、フランスにおけるフリー・ジャズの先駆者の一人として高く評価されています。

フランスのパス＝ピレネー県（現在のピレネー＝アトランティック県）バイヨンヌで生まれたポルタルは、音楽一家に育ちました。祖父は吹奏楽団のリーダーでファゴット奏者、父親はトランペット奏者という環境で、幼い頃から多くの楽器に触れて育ちました。10歳頃から本格的にクラリネットを始め、パリ音楽院で学び、1959年にプルミエ・プリを獲得。その後、1963年にジュネーヴ国際音楽コンクール、1965年にはブダペスト国際音楽コンクールで最高位を獲得し、国際的な評価を確立しました。

1960年代には、バルバラ、セルジュ・ゲンスブール、ペレス・プラードなど、シャンソン、ヴァリエテ、マンボといったポピュラー音楽の演奏にも参加。一方で、サニー・マレーやフランソワ・テュスクといったフリー・ジャズの先駆者たちとも共演するなど、幅広い音楽性を示しました。1969年には、ヴィンコ・グロボカールらと共に New Phonic Art の設立メンバーとなり、シュトックハウゼン、マウリシオ・カーゲルの活動に貢献しました。1971年には、ヨーロッパとアメリカの音楽家の交流と実験の場として、ミシェル・ポルタル・ユニットを創設。その他にも多くのジャズミュージシャンと共演し、フランスのジャズシーンを牽引する存在となりました。

ジャズとクラシックの演奏活動を続ける傍ら、1975年頃からはテレビや映画のための音楽を数多く作曲し、セザール賞を複数回受賞するなど、作曲家としても高い評価を得ています。

数多くのスタジオ録音、ライブ録音を残しており、クラシックの演奏家としては、ブーレーズの『Domaines』、パスカル・ロジェらとの『フランス近代作品集』、メロス弦楽四重奏団とのブラームスの『クラリネット五重奏曲』などを、ハルモニア・ムンディ・フランスやデッカ・レコード、EMIなどに録音しています。

ディスコグラフィ

リーダー・アルバム
Our Meanings and Our Feelings (1969年、Pathe)
Alors!!! (1970年、Futura)
No, No But it May Be... (1971年、Le Chant du Monde)
Minneapolis We Insist! (2000年、Universal)
参加アルバム
マウリシオ・カーゲル: Exotica (1971年、Deutsche Grammophone)
サニー・マレイ: 『サニー・マレイ・クインテット』 - Sunny Murray (1968年、Shandar)
カールハインツ・シュトックハウゼン: From the Seven Days (1969年、Deutsche Grammophone)
ミロスラフ・ヴィトウス: 『リメンバリング・ウェザーリポート』 - Remembering Weather Report (2009年、ECM)
ジャッキー・テラソン: Gouache (2012年、Universal)

外部リンク
Michel Portal Discography - ウェイバックマシン（2004年6月22日アーカイブ分）
Michel Portal - IMDb
ミシェル・ポルタル - Discogs（英語）

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