コリエンテス州

コリエンテス州は、アルゼンチン北東部のメソポタミア地方に位置する州で、西をサンタフェ州とチャコ州、北をパラグアイ、北東をミシオネス州、東をブラジルとウルグアイ、南をエントレ・リオス州と接しています。州都はコリエンテス市です。この地域は、地理的にも精神的にもブエノスアイレスよりもウルグアイのモンテビデオに近く、歴史的にアルゼンチンからの独立を試みたこともあります。また、パラグアイとの結びつきも深く、その関係性は複雑です。

歴史

コリエンテス州には、先住民としてグアラニー族が居住していました。州都コリエンテスは、1588年にアスンシオンとブエノスアイレスの中間地点として建設されました。17世紀には、イエズス会が州北部に伝道所を設け、グアラニー族への布教活動を展開しました。

独立戦争期には、コリエンテス州はホセ・アルティーガス率いる連邦同盟に加わりました。連邦同盟の将軍であったフランシスコ・ラミレスは、アルティガス将軍が敗北した後もブエノスアイレスと戦い、1820年にはコリエンテス州、エントレ・リオス州、ミシオネス州を合わせてエントレ・リオス共和国を樹立しました。しかし、この共和国は短命に終わりました。1830年にはコリエンテス州がミシオネス州を征服しましたが、ミシオネス州は後にパラグアイの領土となりました。1842年には、ブエノスアイレス州知事の独裁に反対してサンタフェ州とともに独立を宣言し、パラグアイからの支援も受けましたが、ウルグアイから侵攻してきたガリバルディの軍に撃退されました。その後、1850年にはエントレ・リオス州のウルキーサに占領され、三国同盟戦争ではパラグアイ軍の侵攻を受けました。

経済

コリエンテス州は、農業が盛んで、タバコ、米、マテ茶、柑橘類、綿花などが栽培されています。また、ユーカリを使った林業も重要な産業となっています。

地理と気候

コリエンテス州は、西をパラナ川、東をウルグアイ川に囲まれています。北部は亜熱帯気候で雨が多く、南部はパンパ気候となっています。州内には、多くの国立公園やイエズス会伝道所の遺跡が残されています。

芸術・文化

コリエンテス州は、フォルクローレ音楽の一種であるチャマメの発祥地として知られています。また、アルゼンチン国内で唯一、多くの黒人が住んでおり、彼らの文化が色濃く残っています。特に、チャマメをリズミカルにしたラスギド・ドブレや、カンバと呼ばれる黒人コミュニティの文化は、この地域独特のものです。コリエンテスのカーニバルは、アルゼンチンで最もカラフルな祭りとして知られています。

隣接州

コリエンテス州は、以下の州と接しています。

ニェーンブク県（パラグアイ）
ミシオネス県（パラグアイ）
イタプア県（パラグアイ）
ミシオネス州（アルゼンチン）
リオグランデ・ド・スル州（ブラジル）
アルティガス県（ウルグアイ）
エントレ・リオス州（アルゼンチン）
サンタフェ州（アルゼンチン）
チャコ州（アルゼンチン）

下位行政区画

コリエンテス州は、以下のデパルタメント（郡）に分かれています。

ベジャ・ビスタ・デパルタメント
ベロン・デ・アストラーダ・デパルタメント
カピタル・デパルタメント (コリエンテス州)
コンセプシオン・デパルタメント
クルス・クアティア・デパルタメント
エンペドラード・デパルタメント
エスキーナ・デパルタメント
ヘネラル・アルベアール・デパルタメント (コリエンテス州)
ヘネラル・パス・デパルタメント
ゴジャ・デパルタメント
イタリ・デパルタメント
イトゥサインゴ・デパルタメント
ラバージェ・デパルタメント (コリエンテス州)
ムブルクジャ・デパルタメント
メルセデス・デパルタメント
モンテ・カセロス・デパルタメント
パソ・デ・ロス・リブレス・デパルタメント
サラダス・デパルタメント
サン・コスメ・デパルタメント
サン・ルイス・デル・パルマール・デパルタメント
サン・マルティン・デパルタメント (コリエンテス州)
サン・ミゲル・デパルタメント
サン・ロケ・デパルタメント
サント・トメ・デパルタメント
スアセ・デパルタメント

コリエンテス州は、その歴史、文化、地理的特徴から、アルゼンチンの中でも独特な魅力を持つ地域です。先住民、ヨーロッパ人、アフリカ人の文化が混ざり合い、独自の音楽や祭り、生活様式を育んできました。豊かな自然と歴史的遺産に恵まれたこの地は、訪れる人々に深い感動を与えるでしょう。

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