ミスター6号

日本のプロレスラーであるミスター6号（2001年 12月12日生）は、その異例の経歴でプロレス界に大きなインパクトを与えた存在です。彼は、2006年5月27日に名古屋へなちょこプロレスで行われた学級委員青山君戦でプロデビューを果たしました。この時わずか4歳であった彼は、それまでちびミヤマ仮面が保持していた5歳という記録を塗り替え、日本のプロレス界における歴代最年少デビュー記録を樹立したのです。さらに、2000年代に誕生したレスラーとしては史上初であり、その若さゆえに多くの注目を集めました。

デビュー後、ミスター6号はスポルティーバエンターテイメントへ移籍し、愛知県外での活動を本格的に開始します。主要なインディー団体であるDDTプロレスリングなどにも参戦し、ベテランの大人レスラーや格闘家、さらには個性的なスタイルで知られる中澤マイケルといった多岐にわたる相手と対戦。これらの試合を通じて、彼はその存在感を広く知らしめ、注目を浴びるようになりました。プロレス活動と並行して、ミスター6号はアマチュアレスリングにも力を入れており、全国少年少女レスリング大会にも出場。小学2年生の時には、全国大会の22kg級で優勝するという輝かしい実績を残しています。

彼のキャリアにおける特筆すべき試合としては、2009年8月8日にDDTの新木場大会で開催されたビアガーデンプロレス、ケニー・オメガプロデュースデーでの一戦が挙げられます。この試合では、さくらえみとタッグを組み、当時アイスリボンに所属していた小学生レスラーのりほと対戦。両者の若さあふれるぶつかり合いは熱戦となり、観客を大いに沸かせました。さらに翌2010年6月13日には、DDT後楽園ホール大会「ベストオブスーパーどインディー」にりほと組んで出場。最終戦では、飯伏幸太・ケニー・オメガ組を相手にオーバー・ザ・トップロープによる勝利を収め、見事トーナメントを制覇しました。

同日の大会では、ケニー・オメガ、りほと共にマッスル坂井らが保持する日本海6人タッグ選手権王座にも挑戦し、勝利を収めて王座を獲得しました。これにより、両国国技館で開催されるDDTのビッグマッチでの6人タッグ三冠戦への参戦が決定します。そして、2010年7月25日に行われたDDT「両国ピーターパン2010 〜夏休みああ夏休み夏休み〜」では、パートナーがケニー・オメガから大日本プロレスのグレート小鹿に変更されたりほと組んで、UWA世界6人タッグ、自由が丘広小路会認定6人タッグ、そして日本海6人タッグの三冠統一戦に勝利し、統一王座を獲得しました。この際、グレート小鹿との「60歳差」トリオは大きな話題を呼びました。

ミスター6号は、オーソドックスかつクラシカルな正統派レスリングを基礎としながらも、スポルティーバ移籍後は空中殺法も積極的に取り入れ、技の幅を広げました。得意技としては、場外へのトペ・スイシーダ、華麗なラ・ケブラーダ、そして相手を丸め込むウラカン・ラナやデジャブといった技を駆使し、その若さに似合わぬ多彩なレスリングを展開しました。

しかし、この両国大会以降、ミスター6号がプロレスラーとして表舞台に立つ機会は減っていきました。2014年には中学に進学し、プロレスではなく野球部に所属していることを発表。そして2015年12月には、実父である佐藤泰氏、兄である佐藤力氏と共にスポルティーバエンターテイメントを正式に退団し、プロレス活動を休止しました。歴代最年少デビューという記録を持ち、わずか数年の活動期間ながら多くの注目を集め、タイトルも獲得した彼のプロレスラーとしてのキャリアは、非常に短くも鮮烈なものでした。

外部リンクとして、X（旧Twitter）アカウントが存在します。

@Mr6Go

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