ミステイクン・ポイント

ミステイクン・ポイントは、カナダ・ニューファンドランド島のアバロン半島の南東端に位置する、海岸沿いの崖にある化石産出地であり、生態系保護区としても重要な場所です。この地が最初に発見されたのは1967年のことで、インドからの留学生であったシヴァ・バラク・ミスラ氏によってその存在が確認されました。彼は同年の6月には、この地域から新種の古生物の化石を発見しており、この功績を称え、2007年にその新種はフラクトフスス・ミスライと命名されました。

ミステイクン・ポイントは、世界で最も重要な化石地域のひとつとして知られており、特にカンブリア爆発以前のエディアカラ紀中期（約5億8000万年前から5億6000万年前）の地層から、エディアカラ生物群の化石が大量に産出します。この地で発見される化石の中でも特に注目されるのは、原始的な動物であるランゲオモルフの化石です。これらの化石は、生存時の状態のまま火山灰に埋もれたため、当時の生物の姿を詳細に知ることができる貴重な資料となっています。このことから、ミステイクン・ポイントは「エディアカラのポンペイ」とも呼ばれることがあります。

その学術的価値の高さから、ミステイクン・ポイントは2016年の第40回世界遺産委員会において、正式にユネスコの世界遺産に登録されました。世界遺産としての登録基準は以下の通りです。

世界遺産登録基準

この世界遺産は、世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たして登録されました。

(8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。

この基準は、ミステイクン・ポイントが、地球の歴史において重要な段階、特にエディアカラ紀という時代の生物の記録を顕著に示す場所であることを示しています。

ミステイクン・ポイントは、その歴史的・学術的な重要性から厳重に保護されており、学術研究のために調査が行われる一方で、一般の観光客も訪れることが可能です。化石が残る崖を観察することで、太古の地球の様子を目の当たりにできる貴重な場所です。訪れる際は、保護区のルールを遵守し、貴重な化石を保護する意識を持つことが求められます。

関連情報

ニューファンドランド・ラブラドール州の自然保護地区一覧: ミステイクン・ポイントは、同州の重要な自然保護区のひとつです。

外部リンク

公式ウェブサイト (ニューファンドランド・ラブラドール州環境・自然保護省)
管理計画 (ニューファンドランド・ラブラドール州環境・自然保護省)

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