ミスラタ

ミスラタ：リビアの主要都市

ミスラタ（Misurata）は、リビア北部のトリポリタニア地方東部に位置する都市です。首都トリポリから東へ約211km、ベンガジからは西へ約825kmの距離にあります。

概要

ミスラタはミスラタ県の県都であり、シドラ湾の入口に位置しています。カスル・アハメド港という大きな港湾を持ち、トリポリとベンガジを結ぶ幹線道路上に位置する交通の要衝です。2012年の人口は約50万人であり、トリポリ、ベンガジに次ぐリビア第3の都市となっています。

ミスラタの主要産業は工業であり、繊維や乳製品などの軽工業、製鉄などの重工業が盛んです。市内には15学部を持つミスラタ大学があり、高等教育の中心地としての役割も担っています。

歴史

ミスラタの歴史は古く、紀元前1000年ごろにフェニキア人によって建設されました。その後、カルタゴ、ローマ帝国、7世紀にはイスラム教徒によって征服され、様々な文化の影響を受けてきました。

近代に入ると、1985年に日本の神戸製鋼などの協力によってミスラタ製鉄所が建設され、工業都市としての基盤が築かれました。

2011年にリビアで起こった内戦では、ミスラタは当初から反体制派（リビア国民評議会）の拠点となりました。しかし、カダフィ派との間で激しい戦闘が繰り広げられ、多数の死傷者が出ました。カダフィ自身もミスラタ近郊で死亡し、その遺体は市内の市場の冷凍室で公開された後、砂漠地帯に埋葬されました。

内戦後の2012年2月20日には、リビア初の自由選挙となる市議会選が行われ、民主化への一歩を踏み出しました。

気候

ミスラタは、ケッペンの気候区分ではステップ気候に区分されます。地中海に面しているため、気候は比較的温和で、沿岸の他の都市と同様に冬に雨が多く、夏は乾燥して暑くなります。サハラ砂漠からの南風が吹くと気温が急上昇し、異常な高温となることもあります。

ミスラタは、その地理的な位置、歴史、産業、そして近年の政治的な出来事を通じて、リビアにおける重要な都市としての地位を確立しています。

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