ミズ (ドラッグストア)

株式会社ミズ：医療・健康を軸とした地域密着型企業

株式会社ミズ（MIZ）は、九州地方を拠点とし、医療・健康、そして地域社会への貢献を理念とする企業です。その歴史は1910年、佐賀県で溝上金一氏が開業した『溝上薬局』に遡ります。創業者は当時、栄養不足に悩む人々のために独自開発した薬を販売し、九州のみならず西日本全体に販路を広げました。

その後、1949年に溝上勝一氏が中心となり、溝上薬品株式会社として医薬品卸売業に進出。幾度かの合併を経て、現在の株式会社ミズは1964年、溝上薬品株式会社から独立した『溝上薬局』を母体として1992年に設立されました。社名は、生命の源である『水』、英語の女性の敬称『Ms.』、本社所在地である『水ヶ江』、創業者の名字『溝上』といった要素を組み合わせ、考案されました。

現在、株式会社ミズは『溝上薬局』を主力事業として、調剤薬局を九州地方を中心に展開しています。そのほかにも、化粧品専門店『MIZ』、『東京小町』（関東地方展開）、漢方薬専門店『漢方みず堂』など、多様な事業を展開することで、幅広い顧客層のニーズに対応しています。

多角的な事業展開と地域社会への貢献

株式会社ミズの特徴として、医療・健康分野にとどまらず、地域社会への貢献を目的とした事業展開も積極的に行っている点が挙げられます。2011年には自社運営の保育園『おへそ保育園』を開園し、2014年には高齢者向け複合施設『そいよかね』と介護福祉事業『ミズケア』を開始するなど、高齢化社会への対応にも力を入れています。

さらに、ローソンとの提携による調剤薬局併設型コンビニ『LAWSON+MIZ』、宅配便ロッカーを活用した処方箋医薬品の受渡しサービスなど、時代の変化に対応した新しいサービスにも積極的に取り組んでいます。2020年にはプロバスケットボールチーム『佐賀バルーナーズ』の公式パートナーとなり、地域スポーツの振興にも貢献しています。

事業の拡大と連携、そして将来展望

株式会社ミズは、九州地方を中心とした地域密着型の展開をベースに、フランチャイズ展開や他社との業務提携を通して、事業領域を積極的に拡大してきました。『漢方みず堂』では、沖縄、静岡、大阪など九州以外の地域にもフランチャイズ展開を進め、そのネットワークを全国へと広げようとしています。

一方、2018年にはサザビーリーグと合弁会社を設立し、ヘルスケア事業への進出を目指しましたが、2019年に解散という結果に終わっています。この経験は、今後の事業展開において、慎重な戦略立案と柔軟な対応が重要であることを示唆していると言えるでしょう。

2023年3月時点での店舗数

2023年3月現在、株式会社ミズは77店舗を展開しています。その内訳は、調剤薬局が約7割の56店舗を占め、ドラッグストアは5店舗と少数です。店舗は九州地方に集中しており、特に佐賀県には40店舗が展開されています。関東地方には『漢方みず堂』が数店舗展開されています。

今後の展望

株式会社ミズは、創業以来培ってきた地域密着型の経営スタイルと、時代のニーズに対応した柔軟な事業展開によって、今後も成長を続けていくものと予想されます。特に、高齢化社会の進展や健康意識の高まりを背景に、医療・健康分野における更なる事業拡大や、地域社会への貢献が期待されます。また、これまでの経験を活かし、新たな事業展開や戦略的提携による更なる発展も期待されます。

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