水ヶ江

佐賀市水ヶ江：歴史と文化が息づく城下町

水ヶ江（みずがえ）は、佐賀県佐賀市の中央部に位置する地区です。佐賀城の東側に広がり、かつては城下町として栄えました。現在も、その名残をとどめる史跡や文化財が点在し、歴史と文化を感じられるエリアとなっています。

地理

水ヶ江は、佐賀平野のクリーク地帯に位置し、水路が縦横に流れています。地区の東端には裏十間川、南東端には八田江が流れ、中央部には多布施川が合流しています。県道30号線が南北に走り、その沿線には企業や商店が立ち並び、その他は住宅地となっています。

かつて佐賀市民会館や佐賀県立病院好生館がありましたが、それぞれ老朽化や移転により、その跡地には佐賀市医師会立看護専門学校や佐賀メディカルセンターなどが新たに開設され、医療・福祉の拠点としての役割を担っています。

歴史

水ヶ江という地名は、「龍は水を以って家となす」という古事に由来し、龍造寺氏と水との結びつきから名付けられたとされています。かつては水ヶ江城があり、江戸時代には佐賀城下の武家屋敷地として、多くの武士が暮らしていました。

幕末には、大隈重信や大木喬任といった明治維新に貢献した偉人を輩出しており、佐野常民も水ヶ江の佐野家に養子に入るなど、明治維新と深い関わりを持つ土地です。

名所・旧跡

水ヶ江には、歴史を感じさせる数多くの名所・旧跡があります。

万部島: 歴代藩主が「国家安泰・万民安楽」を祈願した石塔や佐賀の乱記念碑がある佐賀城公園の一部。
大隈重信旧宅・大隈重信記念館: 2度に渡り総理大臣を務めた大隈重信の生家と、その功績をたたえる記念館。
大木公園: 大木喬任の生誕地と伝えられ記念碑が立つ。
武家屋敷門: 後多久氏（水ヶ江龍造寺氏）の屋敷門や、鍋島家の家老・水町氏の屋敷門として建設された薬医門。
宗龍禅寺: 龍造寺隆信の菩提寺として鍋島直茂が建立した名刹。佐賀の化け猫騒動の舞台としても知られる。
中の橋: 明治時代の橋組みを維持している石桁橋。

これらの史跡や文化財は、水ヶ江の歴史を今に伝える貴重な遺産となっています。

交通

水ヶ江地区内には、県道30号線や県道20号線が走り、佐賀市営バスや西鉄バスが運行しています。特に片田江交差点は、複数のバス路線が乗り入れる交通の要衝となっています。

施設

水ヶ江には、教育機関として佐賀大学教育学部附属幼稚園や龍谷中学校・高等学校があります。また、山本常朝生誕地や鍋島家別邸跡などの史跡も点在しています。

まとめ

佐賀市水ヶ江は、佐賀城下の面影を残す、歴史と文化が豊かな地区です。クリークの流れる美しい景観、数々の史跡や文化財、そして偉人を輩出した歴史が、この地の魅力を形作っています。佐賀を訪れる際には、ぜひ水ヶ江を散策し、その歴史と文化に触れてみてください。

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