ミズーリ (BB-11)

戦艦ミズーリ（BB-11）の誕生

ミズーリ（USS Missouri, BB-11）は、アメリカ海軍が誇るメイン級戦艦の2番艦として建造されました。艦名はミズーリ州に由来し、同名の艦としては3隻目にあたります。1900年 2月7日、バージニア州ニューポート・ニューズの造船所で起工され、1901年 12月28日には、ミズーリ州選出上院議員の娘であるエドソン・ゴールデット夫人によって命名・進水しました。1903年 12月1日、初代艦長ウィリアム・S・コールズ大佐の指揮下で就役し、その輝かしい歴史が始まりました。

初期の活動と事故

就役後、ミズーリは北大西洋艦隊に配属され、1904年2月4日に公試のためノーフォークを出航しました。バージニア岬沖での公試やカリブ海での艦隊演習に参加した後、4月13日には、砲撃訓練中に後部砲塔内で火災が発生するという事故に見舞われます。砲撃後の火炎が装薬に引火し、幸い爆発はなかったものの、36名が窒息するという痛ましい事態となりました。しかし、乗組員の迅速な対応により大きな損害は免れ、3名の乗組員が勇敢な行動を称えられ名誉勲章を受章しました。

修理を終えたミズーリは、6月9日に地中海へ向けて出航し、12月17日にニューヨークへ帰還。その後は、東海岸沿いやカリブ海で艦隊演習に従事し、1907年1月にはジャマイカ地震の被災者支援活動を行いました。また、4月にはジェームズタウン博覧会にも参加しています。

グレート・ホワイト・フリートの世界巡航

1907年12月16日、ミズーリはグレート・ホワイト・フリートの一員として世界巡航に参加しました。ハンプトン・ローズを出航し、セオドア・ルーズベルト大統領の観閲を受けた後、カリブ海や南米東海岸の港を訪問。ホーン岬を回ってペルーやメキシコを訪れ、1908年5月6日にはサンフランシスコに到着しました。

その後、艦隊は西へと進路を取り、ハワイ、ニュージーランド、オーストラリアを経て、10月2日にはフィリピンのマニラに到着。さらに、日本の横浜では熱烈な歓迎を受けました。その後も、中国のアモイ、セイロン島、スエズを経由し、地中海東部の港を訪問。1909年2月6日にジブラルタルを出航し、2月22日にハンプトン・ローズで再びルーズベルト大統領の観閲を受け、アメリカ海軍の威容を世界に示すという大役を終えました。

その後の活動と第一次世界大戦

世界巡航後、ミズーリは1910年5月1日にボストンで予備役艦隊入りしますが、1911年6月1日に再就役し、大西洋艦隊に加わります。東海岸やカリブ海での艦隊演習に従事した後、1912年6月にはキューバでの政情不安に対するアメリカの権益保護任務に就きました。その後、海軍兵学校生の訓練任務を経て、1912年9月9日にフィラデルフィアで退役しました。

1914年3月16日に再就役したミズーリは、海軍兵学校生の夏季訓練巡航のため、イタリアやイギリスへ向かいます。その後も、海軍兵学校生の訓練任務やカリブ海への巡航、パナマ運河の通過などを経て、1915年10月18日に再び予備役艦隊入りしました。しかし、1916年5月2日には再就役し、東海岸やカリブ海での訓練を行った後、冬にはフィラデルフィアで通常任務に就きました。

アメリカが第一次世界大戦に参戦すると、ミズーリは1917年4月23日に再就役し、大西洋艦隊に加わりました。チェサピーク湾水域での訓練艦として、多くの新兵に機関や砲術の訓練を行い、1917年8月26日には大西洋艦隊第2戦隊の旗艦に任命されました。

終戦と退役

第一次世界大戦終結後、ミズーリは巡洋艦輸送艦部隊に配属され、1919年2月18日にノーフォークを出港。ブレストへ向かい、帰還兵の輸送任務に従事しました。4度の航海で3,278名の帰還兵を輸送した後、1919年 9月8日にフィラデルフィアで退役しました。そして、1922年1月26日、ワシントン海軍軍縮条約に基づき、スクラップとして売却され、その生涯を終えました。

まとめ

戦艦ミズーリ（BB-11）は、その長い艦歴の中で、様々な任務を遂行しました。世界巡航、第一次世界大戦への参戦、海軍兵学校生の訓練など、その活動は多岐にわたり、アメリカ海軍の歴史に重要な足跡を残しました。

外部リンク

Maritimequest USS Missouri BB-11 Photo Gallery
* navsource.org

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