ミッドナイト競輪

ミッドナイト競輪とは

ミッドナイト競輪は、2011年1月14日から始まった深夜時間帯に開催される競輪です。通常のナイター競輪が20時台に終了するのに対し、ミッドナイト競輪は20時40分から23時30分の間にレースが行われます。深夜開催のため、近隣住民への配慮から観客を入れない無観客での実施が特徴です。

特徴

開催時間: 20時40分から23時30分
観客: 無観客
開催頻度: 年間を通してほぼ毎日開催
レース構成:
7車立てが基本（S級戦では9車立ての場合あり）
A級、L級（ガールズケイリン）が中心
周回数は距離により異なる（400m走路:4周、333/335m走路:5周、500m走路:3周）。S級戦は約2,000m（400m走路では5周）
1日のレース数: 1場あたり最大9レース
開催場数: 1日2場が基本、試行的に3場開催も実施
車券購入: 電話・インターネット投票のみ。一部場外売場やGambooBET等で前売購入可能
中継: テレビ中継（BSよしもと、SPEEDチャンネル）やインターネット配信（KEIRIN.JP、ニコニコ生放送、ABEMAなど）

開催状況

2024年10月時点で、全国43の競輪場のうち33場で開催されています。一部競輪場では照明設備や近隣住民への配慮から開催が難しいため、他の競輪場を借り上げて実施するケースもあります。

ミッドナイト競輪の開催には、施行者間の協議会による承認が必要です。1日2場での開催が基本ですが、試行的に3場での開催も行われています。

歴史

競輪全体の売上が低迷していた中、2011年にミッドナイト競輪が誕生しました。当初は小倉競輪場と前橋競輪場の2ヶ所での試験的な開催から始まり、無観客での開催やネット投票のみという新しいスタイルが特徴でした。その後、全国各地に広がり、現在では競輪の売上を牽引する存在となっています。

黎明期

2011年1月14日: 小倉競輪場でミッドナイト競輪が開始
当初は無観客、7車立て、1日7レースの2日制で開催
車券はネットバンクサービス会員限定で販売
2012年: チャリロト、Kドリームス、オッズパークでも発売開始
2013年: 初のガールズケイリン、初の3日間開催を実施

拡大期

2015年: 他場主催者による借り上げ開催が増加
2017年: 全レースA級3班戦（チャレンジレース）で開催
2018年: 9レース制が試行的に導入
2019年: ABEMAで生配信開始
2020年: コロナ禍で売上が急伸、史上初の8億円超えを達成
2021年: 1開催で15億円以上の売上を記録

現在

S級戦の実施や1日3場開催など新たな取り組みが実施されている。
GIIIグレードレースも開催。
ミッドナイト競輪の売上は競輪全体の売上を牽引している

ミッドナイトフィナーレ

2018年から2022年にかけて、年末には「ミッドナイトフィナーレ」という企画レースが開催されていました。最終レースにはガールズケイリンが行われ、その年最後のレースとして注目されていました。しかし2023年以降は企画レースとしての開催は取りやめ、通常のミッドナイト競輪と同様の番組編成となっています。

売上記録

ミッドナイト競輪の売上は年々増加しており、2021年には1開催で15億円を超える売上を記録しました。

総売上上位5開催（2021年8月25日時点）

1. 15億1948万9100円（2021年8月23日 - 25日・松阪）
2. 14億7168万3300円（2021年1月23日 - 25日・松阪）
3. 12億7335万3800円（2020年12月15日 - 17日・前橋）
4. 12億2762万4000円（2020年12月28日 - 30日・西武園）
5. 11億9904万9900円（2020年4月29日 - 5月1日・小倉）

1場1日の売上上位5開催日（2021年9月2日時点）

1. 6億2472万5800円（2021年9月2日・松山初日）
2. 6億0450万6600円（2021年8月25日・松阪最終日）
3. 5億8158万3900円（2021年8月2日・青森最終日）
4. 5億7901万4000円（2021年1月25日・松阪最終日）
5. 5億5023万1900円（2020年12月31日・高知最終日）

これらの記録は、その後も更新されており、2022年には1開催で20億円を超える売上を記録する開催も出てきています。

競輪場借上開催

ミッドナイト競輪は、開催実績のある競輪場を借りて開催される場合があります。以下は、2018年度から2024年度の主な借上開催の例です。

2018年度

前橋 - 立川市
豊橋 - 名古屋競輪組合
奈良 - 京都府、福井市
玉野 - 高松市
高知 - 小松島市
小倉 - 名古屋競輪組合、岐阜市、岸和田市、防府市、久留米市、熊本市

2019年度

川崎 - 小田原市、平塚市
大垣 - 岐阜市
奈良 - 京都府、和歌山県、福井市
玉野 - 小松島市、高松市
小倉 - 名古屋競輪組合、岸和田市、広島市、防府市、久留米市、熊本市

2020年度

前橋 - 立川市
川崎 - 小田原市、平塚市
松阪 - 京都府、富山市
大垣 - 岐阜市、福井市
奈良 - 和歌山県
松山 - 高松市
高知 - 小松島市
小倉 - 岸和田市、広島市、防府市、久留米市、熊本市

2021年度

前橋 - 立川市
川崎 - 平塚市、小田原市
松阪 - 富山市
大垣 - 岐阜市、福井市
奈良 - 和歌山県
松山 - 高松市、玉野市
高知 - 小松島市
小倉 - 岸和田市、広島市、防府市、久留米市、熊本市

2022年度

前橋 - 立川市
川崎 - 小田原市
伊東温泉 - 小田原市
松阪 - 富山市
大垣 - 岐阜市、福井市
奈良 - 和歌山県
小倉 - 広島市、防府市、熊本市

2023年度

前橋 - 立川市、弥彦村
川崎 - 小田原市
伊東温泉 - 小田原市
松阪 - 富山市
大垣 - 岐阜市、福井市
奈良 - 和歌山県
玉野 - 広島市、防府市
高松 - 広島市、松山市
小倉 - 青森市、広島市、防府市、熊本市
久留米 - 熊本市
武雄 - 熊本市

2024年度

いわき平 - 函館市
奈良 - 和歌山県
玉野 - 広島市、防府市
小倉 - 広島市、防府市

番組編成

ミッドナイト競輪の番組編成は、主に以下のパターンがあります。

7車立て・3日制9R開催のオールA級の場合
予選、特予選、準決勝、決勝といった構成
7車立て・3日制ガールズ＋A級1・2班開催の9R開催の場合
ガールズ予選、A級予選、準決勝、決勝といった構成
7車立て・3日制S級＋A級1・2班開催の9R開催の場合
S級、A級それぞれの予選、準決勝、決勝といった構成
7車立て・3日制S級＋ガールズ開催の9R開催の場合
ガールズ予選、S級予選、準決勝、決勝といった構成
7車立て・3日制7R開催の場合
予選、特選、準決勝、決勝といった構成
7車立て・3日制オールA級チャレンジ7R開催の場合
チャレンジ予選、選抜、準決勝、決勝といった構成

過去には、2日制の番組編成や、ガールズ競輪とA級戦を組み合わせた番組編成も行われていました。

ミッドナイト競輪は、その独自のスタイルと深夜帯のエンターテイメント性で、競輪ファンだけでなく、新たな層からも支持を集めています。

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