ミドルグラウンド

ミドルグラウンド：ケンタッキーダービーとベルモントステークスの覇者

ミドルグラウンド(1947年4月22日 - 1972年2月16日)は、アメリカ合衆国で活躍したサラブレッド競走馬にして種牡馬です。1950年のケンタッキーダービーとベルモントステークスの栄冠に輝き、その名を競馬史に刻みました。テキサス州最大のキング牧場で生まれ、マックス・ハーシュ調教師の指導の下、若き騎手ビル・ボランドと共に数々のレースを戦い抜きました。

華麗なる競走馬時代

2歳時には5戦4勝と早くからその才能の片鱗を見せ、ホープフルステークスを制覇。しかし、翌年のフリーハンデキャップでは上位に食い込むには至りませんでした。

1950年、クラシック路線は西海岸のエース・ユアホストと東海岸のエース・ヒルプリンスによる東西対決の様相を呈していました。ミドルグラウンドはダービートライアルステークスとウッドメモリアルステークスで2着と好走し、ダービーへの期待感を高めました。

ケンタッキーダービーでは、9倍という4番人気ながら、スタートから積極的に先頭に立ちました。終盤ではヒルプリンスが猛追してきましたが、ミドルグラウンドはこれを振り切り、1馬身1/4差で優勝。勝ちタイムは当時のレコードに迫る好タイムでした。

続くウィザーズステークスではヒルプリンスに敗れましたが、プリークネスステークスでは、不良馬場の中、ヒルプリンスとの激しいデッドヒートを繰り広げ、惜しくも2着に終わりました。しかし、続くベルモントステークスでは、ヒルプリンスを交え、ライツアップを差し切って優勝、クラシック二冠を達成しました。

その後、ジェロームハンデキャップで骨折、競走生活に幕を閉じました。15戦6勝という輝かしい戦績は、その実力の高さを証明しています。

種牡馬としての成功

1951年からキング牧場で種牡馬となり、高い繁殖成績を残しました。アメリカジョッキークラブの記録によると、産駒130頭のうち101頭が勝ち上がり、その繁殖能力の高さがわかります。アラバマステークス勝ち馬のヒアアンドゼア、コーチングクラブアメリカンオークス勝ち馬のレサカなど、数々の活躍馬を輩出しました。

1972年にキング牧場で生涯を終えたミドルグラウンドは、2000年、テキサス競馬名誉の殿堂入りを果たしました。その功績は、現在も語り継がれています。

まとめ

ミドルグラウンドは、類まれな競走能力と種牡馬としての成功によって、アメリカ競馬史に大きな足跡を残しました。ケンタッキーダービーとベルモントステークス制覇という偉業は、彼の才能と、それを支えた関係者たちの努力の結晶です。彼の物語は、未来の競馬人たちに、夢と希望を与え続けるでしょう。

参考文献

Richard Sowers (2014). The Kentucky Derby, Preakness and Belmont Stakes: A Comprehensive History*. Trade paperback. ISBN 9780786476985

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