ミナルディ・M189

ミナルディ・M189について

ミナルディ・M189は、1989年のF1世界選手権に向けてミナルディが開発したフォーミュラ1カーです。この車両は、名デザイナーのアルド・コスタによって設計され、多くの期待が寄せられました。ミナルディは開幕から3戦を前年型のM188Bで戦い、M189のデビュー戦は第4戦のメキシコGPで行われました。

開発の背景

M189は、前年にベネトンが使用していたコスワースDFRエンジンを搭載しています。タイヤはピレリ製が採用されました。また、M189は当初、モトーリモデルニ・スバルの水平対向12気筒エンジンの搭載を予定しており、今後のエンジン換装が可能な設計になっていました。しかし、シーズン中にそのエンジンが完成することは無く、結局は実戦での投入は叶いませんでした。シーズンオフのテストでエンジンを換装しましたが、重さや他の問題が多く、戦力として機能することはありませんでした。ミナルディは契約を破棄することとなります。

シーズン中の成績

デビュー以降、M189はリタイアや予選落ちを繰り返しました。シーズン後半では、予備予選に回る可能性が高まっていましたが、驚くべきことに前半戦の最終戦イギリスGPでは、ピエルルイジ・マルティニが5位、ルイス・ペレス＝サラが6位とダブル入賞を果たしました。この結果により、予備予選に下がることを回避しました。

その後、マルティニの完走率も改善し、ポルトガルGPやオーストラリアGPではそれぞれ5位と6位に入賞しました。特に終盤戦では、ピレリの予選用タイヤ（Qタイヤ）との相性が良く、マルティニはポルトガルGPでの5位、スペインGPでの4位、オーストラリアGPでの3位と素晴らしい成績を残しました。マルティニが負傷により日本GPを欠場した際には、パオロ・バリッラが代役として出場しました。

シーズン末にかけて、チームは合計で6ポイントを獲得し、コンストラクターズランキングでは11位に終わりました。

1990年シーズン

1990年シーズンには、開幕の2戦で改良型のM189Bが使用され、ドライバーにはマルティニとバリッラが起用されました。マルティニは開幕戦アメリカGPで予選2位を獲得し、ミナルディ史上初のフロントローに並ぶという快挙を達成しました。しかし、2戦とも完走は果たしたものの、ポイントを得ることはできませんでした。一方、バリッラは2戦ともリタイアする結果となりました。

その後、第3戦からは新型のM190が投入され、M189は歴史の一部として幕を下ろしました。

もう一度検索