ミハイル・キルポノス

ミハイル・ペトロヴィッチ・キルポノス

ミハイル・ペトロヴィッチ・キルポノス（1892年1月9日-1941年9月20日）は、ソビエト連邦の著名な軍人であり、大将として知られています。彼はソ連邦英雄としての名誉を持ちながら、第二次世界大戦の熾烈な戦闘の中で運命を共にしました。キルポノスは、南西戦線の司令官を務め、キエフにてドイツ軍に囲まれ、最期を迎えました。

経歴

キルポノスは、ウクライナのチェルニゴフ県ヴェルチエフカ村にある農家に生まれ育ちました。1915年には第一次世界大戦に従軍し、1917年には軍医学校を卒業。その同年、兵士連隊の議長や第26狙撃軍団の会議議長に選出され、軍の中でのキャリアをスタートさせました。

1918年以降、彼は赤軍に参加し、ロシア共産党に入党しました。ロシア内戦の際には、大隊と連隊を指揮し、戦後は赤色曹長学校で政治委員として活動しました。1927年にはフルンゼ名称軍事アカデミーを卒業し、その後狙撃師団の参謀長を務めました。1934年から1939年まではカザン軍事学校で校長兼政治委員として教育に貢献しました。

ソ・フィン戦争では第70狙撃師団を指揮し、その功績によりソ連邦英雄の称号を受けました。1940年には狙撃軍団の指揮を執り、同年6月にはレニングラード軍管区の司令官に任命されました。1941年2月にはキエフ特別軍管区の司令官となり、その後すぐに独ソ戦が勃発します。彼は翌年、南西戦線兵団の司令官に任命されましたが、その指揮能力に疑問が持たれることになります。

戦争の悲劇

キルポノスは、スターリンの命令に従い、45万3千人の部隊を率いてキエフで戦闘を行いました。しかし、彼の戦術には限界があり、ドイツ軍に包囲されてしまいました。1941年9月17日、彼はスターリンに包囲からの脱出を要請しましたが、これが拒否されます。戦線の撤退が決定されたときには、既に遅すぎて戦線本部との連絡も途絶えていました。

キルポノスは脱出を試みる中で、迫撃砲弾によって傷を負い、命を落とすこととなりました。彼の最期の瞬間には、自殺したとの説もありますが、その真相は今も不明です。

表彰と受勲

キルポノスは、その功績からソ連邦英雄に認定され、レーニン勲章や一等祖国戦争勲章（死後）、労農赤軍20周年メダルなどを受章しています。彼の名は、戦争の悲劇的な一面を象徴する存在として記憶されています。

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