ミハイル・パーヴロヴィチ・サーブリン

ミハイル・パーヴロヴィチ・サーブリンの生涯

ミハイル・パーヴロヴィチ・サーブリン（1869年7月17日 - 1920年10月17日）は、ロシア帝国生まれの海軍軍人であり、黒海艦隊の指揮官として知られています。彼は、ウクライナ・コサックのシャブリーイウ家の一員として生まれました。父は海軍中将のパーヴェル・サーブリンで、母は将軍の娘でした。弟のニコライも海軍少将となり、サーブリン家は伝統的な軍人一家でした。

教育と初期のキャリア

サーブリンは1890年に海軍中等学校水雷科を卒業し、1897年には水雷士官科を修了しました。その後、太平洋連合艦隊に配属され、1900年から1901年にかけて清に対する軍事行動に参加しました。特に「ドミトリー・ドンスコイ」の艦に乗艦し、義和団の乱において掃海作業を行いました。

日露戦争とその後

1904年、サーブリンはバルト海に戻り、日露戦争ではジノヴィー・ロジェストヴェンスキー提督の指揮下で「オスリャービャ」に乗艦しました。彼は日本海海戦に参加し、艦の沈没が避けられない状況で勇敢に戦い続けました。23人の士官を含む472名の水兵が戦死しましたが、サーブリンは海面から救助され、この戦いを生き延びました。

その後、彼は黒海艦隊での勤務に戻り、様々な艦艇の艦長を歴任しました。特に1911年には海軍大佐に昇任し、「ロスチスラフ」の艦長を務めるなど、着実に昇進を果たしました。第一次世界大戦では水雷戦隊の司令官として数多くの作戦に参加し、多くの勲章を受け取りました。

革命の波とウクライナ共和国の成立

二月革命後、サーブリンは臨時政府の艦隊に勤務し、1917年には黒海艦隊に復帰しました。この時期、彼は黒海艦隊の代表として中央同盟国軍との交渉の矢面に立ち、1918年にはウクライナ人民共和国に基づく艦隊の指揮官となりました。サーブリンは艦隊とその管理のため、多くの困難に直面しましたが、彼は冷静に対処しました。

1918年にはドイツ軍の攻撃が迫る中、艦隊をウクライナ国の指揮下に置く決断を下しました。その後、サーブリンは艦隊管理者として艦船にウクライナ国旗を掲げるよう命じ、艦隊はウクライナ側へと渡ります。

白軍での活動

サーブリンは1919年に南ロシア海軍司令官に就任します。彼は海軍の指揮を執りながら、様々な軍事作戦を実施しました。その後、彼は艦隊を拡充し、敵部隊と対峙し続けますが、指揮官としての能力が評価される一方で、内外の政治的な圧力により数回の解任や交代がありました。

最後の日々

サーブリンは1920年に病を患い、最終的にケルチで亡くなります。彼の業績は海軍の歴史において重要であり、彼の名は艦隊の記憶に刻まれています。また、彼の指導の下で黒海艦隊は多くの困難に立ち向かいながらも、艦隊の誇りを保ち続けました。サーブリンはクリミアのセヴァストーポリに埋葬され、彼の生涯は一人の偉大な海軍軍人の物語として語り継がれています。

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