ミヒャエル・クンツェ

ミヒャエル・クンツェ（Michael Kunze）は、1943年11月9日生まれのドイツの作詞家、作家、脚本家であり、法学の博士号も有しています。プラハで生まれ、ミュンヘンで育ち、現在はハンブルクを拠点に活動しています。

1960年代半ば、法学を学んでいた頃から作詞活動を始め、ソフィア・ロタル、ナナ・ムスクーリ、ピーター・アレキサンダー、ミュンヘナー・フライハイトなど、数々のアーティストに楽曲を提供し、ヒット曲を連発しました。Stephan Prageという偽名を用いて、フリオ・イグレシアス、ハービー・マン、ジルベール・ベコー、シスター・スレッジらと協働し、国際的な成功を収めました。また、シルバー・コンベンション（Silver Convention）のヒット曲「フライ・ロビン・フライ」は、ビルボード誌のチャートで全米1位を獲得する快挙を達成しました。

クンツェは執筆活動も行っており、魔女狩りを題材とした著書『火刑台への道』は世界的なベストセラーとなり、ニューヨーク・タイムズ紙で2ページにわたる書評が掲載されました。

1980年代からは、ミュージカル作品のドイツ語翻訳にも着手し、アンドルー・ロイド・ウェバーの『エビータ』、『キャッツ』、『オペラ座の怪人』、『サンセット大通り』、スティーヴン・ソンドハイムの『イントゥ・ザ・ウッズ』など、数々の名作を手がけました。その他、『コーラスライン』、『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』、『蜘蛛女のキス』、『マンマ・ミーア!』、『ライオン・キング』、『アイーダ』など、幅広い作品の翻訳を手がけ、その質の高さから絶大な評価を得ています。

1990年以降は、長年のパートナーであるシルヴェスター・リーヴァイと共に、数々のオリジナルミュージカルを制作し、世に送り出しています。代表作には、『魔女、魔女』、『エリザベート』、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』、『モーツァルト!』、『レベッカ』、『マリー・アントワネット』などがあり、これらの作品は世界中で上演されています。特に『エリザベート』は、宝塚歌劇団や東宝によって繰り返し上演される人気演目となっています。

2010年には、ドイツ音楽作家賞生涯功労賞を受賞し、長年の音楽界への貢献が認められました。

主な作品

作詞:
フライ・ロビン・フライ - グラミー賞受賞
著作:
火刑台への道 - 1993年、白水社
ミュージカル作品:
魔女、魔女（Hexen, Hexen） - 1990年
エリザベート - 1992年
ダンス・オブ・ヴァンパイア - 1997年
モーツァルト! - 1999年
レベッカ - 2006年
マリー・アントワネット - 2006年
Raoul - 2008年
レディ・ベス - 2014年
書籍
* オール・インタビューズ ミュージカル『エリザベート』はこうして生まれた（2016年6月28日、日之出出版） ※ シルヴェスター・リーヴァイ、小池修一郎と共著

ミヒャエル・クンツェは、作詞家、作家、脚本家として、またミュージカル翻訳家として、多岐にわたる分野で才能を発揮し、ドイツの音楽・演劇界に多大な貢献をしてきた人物です。

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