ミヤマシキミ属

ミヤマシキミ属（Skimmia）

ミヤマシキミ属は、ミカン科に分類される常緑性の低木です。学名は Skimmia と表記されます。

特徴

ミヤマシキミ属の植物は、以下の特徴を持ちます。

形態: 常緑性の低木であり、茎には刺がありません。
葉: 葉は茎に互い違いに生え（互生）、茎の上部に集まってつきます。葉の形は単葉で、縁は滑らか（全縁）ですが、ときに上部に鈍い鋸歯が見られることがあります。
花: 枝の先に円錐状の花序を形成します。雌雄異株であり、雄花をつける株と雌花をつける株が分かれています。
花弁: 花弁は通常4枚ですが、まれに5枚のものもあります。
果実: 果実は球状の核果で、2-5個の核を持ちます。核の中にはそれぞれ1個の種子が含まれています。

分布

ミヤマシキミ属は、東アジアおよび東南アジアの温帯から暖帯にかけて分布しており、約9種が知られています。

日本に分布する種

日本国内では、基本種であるミヤマシキミ Skimmia japonica のみが確認されています。ただし、いくつかの変種や品種が区別されています。

ミヤマシキミ（基本変種） Skimmia japonica var. japonica
アケボノミヤマシキミ Skimmia japonica var. japonica f. rosea
ウチダシミヤマシキミ Skimmia japonica var. japonica f. yatabei
ツクバシキミ Skimmia japonica var. japonica f. veitchii
ウチダシツルシキミ Skimmia japonica var. intermedia
シロミノツルシキミ Skimmia japonica var. intermedia f. leucocarpa
ナガバツルミヤマシキミ Skimmia japonica var. intermedia f. longifolia
ナガミノツルシキミ Skimmia japonica var. intermedia f. obovoidea
ツルシキミ Skimmia japonica var. intermedia f. repens
ノコバツルシキミ Skimmia japonica var. intermedia f. serrata
リュウキュウミヤマシキミ Skimmia japonica var. lutchuensis

日本国外に分布する種

テンジクミヤマシキミ Skimmia laureola - ネパール、ベトナム、中国に分布
Skimmia anquetilia - 西ヒマラヤからアフガニスタンに分布
Skimmia arborescens - 東ヒマラヤから東南アジアに分布

利用

ミヤマシキミの様々な品種は、特にヨーロッパやアメリカで、花や実を観賞するために栽培されています。しかし、日本ではあまり栽培されていません。果実は赤く目を引きますが、有毒であるため注意が必要です。

参考文献

佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本Ⅰ』(1989)平凡社
* 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名－学名インデックス」（YList）

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