ミューコミVR

『ミューコミVR』：ラジオとメタバースが融合した新時代の番組

2021年4月4日、ニッポン放送から新たなラジオ番組『ミューコミVR』が誕生しました。これは『ミュ〜コミ+プラス』の後継番組として放送が開始されたもので、『ミューコミ』シリーズの第3弾にあたります。特徴的なのは、ラジオ放送と同時にYouTubeチャンネル「一翔剣ちゃんねる」でメタバース空間からの配信も行われている点です。 リスナーは、ヴァーチャル空間と現実世界の垣根を超えた、全く新しいラジオ体験を味わうことができます。

番組パーソナリティを務めるのは、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記と、アイドルグループZOC（現METAMUSE）の西井万理那、CUBERSの末吉9太郎です。3人はヴァーチャル空間上でそれぞれ「一翔剣」「こめこねこ2世」「もちこねみ9世」という名前で登場し、独特の世界観を演出しています。 開始当初は愛称で呼ばれていましたが、リスナーからの名前募集を経て現在の名前が決定しました。その過程も番組を彩るエピソードの一つとなっています。

『ミューコミVR』は、単なるVR技術の活用にとどまらない、ラジオの可能性を大きく広げる試みです。吉田尚記自身も、VRを「民主主義の次の概念」と捉え、ラジオというメディアの特性を最大限に活かした番組作りを目指していると語っています。

番組の構成は、大きく3つのパートに分かれています。まず、22時30分からメタバース空間上での先行配信が行われ、その後23時30分からニッポン放送と山口放送で地上波放送が開始されます。放送終了後には、メタバース空間でアフタートークが展開されることも。 さらに、2022年5月からはニッポン放送ローカルで『ミューコミVRXR』という特番も放送されていましたが、2022年8月をもって終了しています。

番組内では、様々なコーナーが展開されています。リスナー参加型の「サポーターズVR」コーナーでは、番組を支えるスポンサー（番組内では「サポーター」と呼ばれています）を募集。 また、「先週までのミューコミVR」では前週放送の振り返りや、出演者による自己紹介、お決まりの挨拶など、番組独自のスタイルが確立されています。 ゲストとしてVtuberやVRイベント関係者を迎える機会もあり、ラジオとメタバース、そして現実世界の橋渡しのような役割も担っています。

番組のテーマソング「バーチャれ!ニッポン」は、田淵智也が作曲。当初はボーカロイドによるハミングのみでしたが、リスナーからの歌詞募集を経て完成し、後にヴァルこめけんぱっ！（番組内で結成されたユニット）バージョンも制作されました。

放送時間やネット局にも変化がありました。開始当初はニッポン放送と山口放送で放送されていましたが、2023年4月からは北日本放送でもネットを開始。一方で、STVラジオでの放送は見送られています。選挙特番や他の特別番組放送の影響で、放送時間変更や休止があったこともありました。 2023年2月19日には、ニッポン放送が休止し、山口放送のみに放送する異例の事態が発生しました。これは『オールナイトニッポン55周年記念 福山雅治のオールナイトニッポン55時間スペシャル』放送のためで、吉田アナウンサーが山口放送を訪問するなど、山口放送に密着した放送となりました。

『ミューコミVR』は、新しい技術とラジオの融合、そして個性豊かな出演者たちの魅力が織りなす、まさに「新しいラジオ」と言える番組です。リスナー参加型の企画も多く、番組と一体となって番組を盛り上げることも可能です。 ラジオとメタバースの融合がどのように発展していくのか、今後の展開にも注目です。

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