ミュージックエイト

株式会社ミュージックエイトは、東京都世田谷区に本社を置く日本の出版社です。吹奏楽関係者の間では「M8（エムはち）」、または「おんぱち」の通称で広く知られています。

事業概要

ミュージックエイトは、吹奏楽や金管バンドの楽譜、CD、教則本などを中心に取り扱っています。特に、J-POPなどのヒット曲を吹奏楽向けに編曲した楽譜シリーズは、日本の吹奏楽関係者に広く愛されています。これらの楽譜は、初心者や少人数編成でも演奏しやすいように、難易度が調整されているのが特徴です。実音のキーは、主に♭1個から4個の範囲で選択されており、子供でも演奏しやすいようにシンプルに編曲されています（5段階の難易度グレードで3以下となるように）。

創業と歴史

ミュージックエイトは、1965年に助安由吉によって創業されました。助安由吉は、陸上自衛隊東部方面音楽隊およびNHKサービスセンターに在籍し、服部良一・克久親子の弟子兼写譜者としても活動していました。東部方面音楽隊在籍時に「南国土佐を後にして」の吹奏楽アレンジを披露したところ、観客から非常に高い評価を受けたことが、創業のきっかけになったと伝えられています。

創業当初はクラシック志向の強かった吹奏楽界から敬遠されることもありましたが、「より多くの人が演奏しやすい楽譜をつくる」という理念のもと、学生が演奏しやすい、比較的容易な楽譜を数多く出版。その結果、現在では広く支持される出版社となりました。2017年11月時点で、オンデマンド楽譜を含めると6000曲以上の楽譜を出版しています。

また、「M8スタイル」「IN 吹奏楽」「吹奏楽ベスト」「M8ブラバン」など、自社企画のCDと連動した楽譜や、海外出版社の輸入楽譜も取り扱っています。楽譜専用ファイル『note-Note』の発売や、サンリオとのコラボグッズ展開など、多角的な事業展開も行っています。

経営体制の変遷

創業者である助安由吉は、2015年6月1日をもってミュージックエイトを退任。その後、2代目社長として創業者の長男が代表を務めるロケットミュージック（元株式会社エイトカンパニィ）に移りました。ロケットミュージックは2011年に設立され、2014年に独立しています。

創業者の挨拶によると、ミュージックエイトの現社長（3代目社長、創業者の次男）から、経営方針の違いを理由に退任を要請されたとのことです。創業者自身は不本意な退任であったと述べています。

その他の情報

ミュージックエイトの社員有志によって結成された吹奏楽団「M8ウィンド・オーケストラ」は、当初は一般団体として活動していましたが、数年の活動休止を経て再編成されました。2018年現在では、若手のプロ奏者によって構成され、ミュージックエイトが販売する楽譜の参考音源制作を担当しています。

外部リンク

公式ウェブサイト (携帯): ミュージックエイト公式サイト
X（旧Twitter）: @MusicEight
* M8ウィンド・オーケストラ: M8ウィンド・オーケストラ

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