ミュージックガンガン!

ミュージックガンガン! シリーズ

『ミュージックガンガン!』（MUSIC GUNGUN!）は、タイトーがリリースしたアーケード音楽ゲームです。ガンコントローラーを使用し、音楽に合わせて画面に現れる「音モンスター」を撃ち落とすという、音楽ゲームとガンシューティングを融合させた新しいジャンル「音シュー」として話題を呼びました。本稿では、シリーズ1作目のバージョンアップ版である『ミュージックガンガン! 曲がいっぱい☆超増加版!』と、シリーズ2作目にあたる『ミュージックガンガン!2』についても解説します。

概要

タイトー初の音楽ゲームとして、同社のTaito Type X2基板を採用しています。ガンコントローラーを用いた独特なゲーム性は、「NO考ゲーム」作品の一つとしても位置づけられています。作品の略称、およびガンコントローラーの名称は「ミューガン」として親しまれています。

シリーズを通して、女性プレイヤーへの配慮として、筐体には荷物置き場が設けられているのが特徴です。ただし、あくまで荷物置き場であり、座ったり乗ったりしないように注意書きがされています。

ゲームの基本的な流れは、ミューガンを使って飛んでくる音モンスターを、流れる音楽に合わせて撃ち落とすというものです。プレイヤーの腕前に応じてゲージが変動し、曲終了時に一定ラインを超えていればクリア、そうでなければゲームオーバーとなります。曲の途中で強制終了することなく、最後までプレイできるのが特徴です。

シリーズ一覧

2012年9月時点で、以下の3つのシリーズがリリースされています。

1. ミュージックガンガン!
2. ミュージックガンガン! 曲がいっぱい☆超増加版!
3. ミュージックガンガン!2

ミュージックガンガン!

シリーズ1作目として2009年7月17日に稼働を開始しました。

全31曲（隠し曲1曲を含む）を収録。
タイトル画面や選曲画面は、ピンクを基調としたカラーリングで統一されています。
選曲画面では、曲名の背景色でジャンルを表していますが、ジャンルごとに曲が並んでいるわけではなく、ジャンル名も表示されません。
すべての楽曲・難易度で、曲の途中に音楽とは関係なく多数の音モンスターを撃つ「チャンスタイム」が設けられています。
ガンコントローラーのサブボタンを使ったコマンド入力で、「超むずかしい」難易度と隠し曲を同時に解禁できました。
デモ画面では、1人用・2人用それぞれで人気の楽曲が10位まで表示されます。
後に台湾などで、現地向けの楽曲を追加したバージョンも稼働しました。

ミュージックガンガン! 曲がいっぱい☆超増加版!

シリーズ2作目として2010年4月26日に稼働を開始しました。

全94曲（隠し曲9曲を含む）を収録。新曲63曲、旧曲31曲で、前作からの削除曲はありません。
新曲の一部は、公式サイトでのリクエストによって決定されました。
ピアプロとのコラボレーションにより、初音ミクを使用した楽曲が公募され、そのうち3曲が収録されました。
商業用の音楽ゲーム作品として初めて、東方Projectの二次創作物・アレンジ楽曲が収録されました。
タイトル画面や選曲画面は、水色を基調としたカラーリングに変更されました。
ピアプロとのコラボレーションで採用されたイラストが、曲のロード画面で表示されます。
曲のプレイ中に、左右のボタンを押すことで音量調節が可能になりました。
選曲画面でジャンルごとに曲が分けられ、ジャンルボタンを撃つことでジャンル移動ができるようになりました。
曲によっては、演奏前の演出やサブボタンの音が通常とは異なるものになります。
隠し曲は、公式ページ・公式ブログで3回に分けて発表されました。解禁にはテストモードでのコマンド入力が必要でした。
特定のコマンドを入力することで、途中でマーカーが消える「HIDDENモード」が導入されました。
2009年12月10日にピアプロで初音ミクとのコラボレーションが実施され、楽曲とロード画面のイラストが募集されました。
2010年11月から12月にかけて、インターネット上でのスコアアタック大会が3度開催されました。

ミュージックガンガン!2

シリーズ3作目として2011年1月27日に稼働を開始しました。

全106曲（隠し曲6曲を含む）を収録。新曲50曲、旧曲56曲で、前作からの削除曲は39曲です。
前作に引き続き、東方Projectの二次創作物・アレンジ楽曲が収録されました。
他社ゲーム作品とのコラボレーションにより、それらの楽曲が多数収録されています。
有名ゲームミュージックアーティストによるオリジナル楽曲の提供も行われました。
グラフィック・キャラクターが一新され、角のある硬質なイメージとなりました。
タイトル画面や選曲画面は、黒と青を基調としたカラーリングに変更されました。
トレーニングモードの実施タイミングが、プレイ人数選択後から選択式に変更されました。
選曲画面にすべてのジャンル名が表示され、直接撃つことでジャンル移動ができるようになりました。
チャンスタイムに、音楽の拍に合わせて音モンスターを撃つと高得点が得られる「ON THE BEAT!」が導入されました。
演奏中や成績発表画面に、譜面の難易度が表記されるようになりました。
フルコンボするとボーナス点が加算されるようになり、スコアアタックの重要性が増しました。
オプションで、マーカーの表示方法が変わる「SUDDEN」「STEALTH」「MIRROR」モードが導入されました。
前作同様、3回に分けて隠し曲が発表され、隠し難易度の追加も行われました。解禁はユーザーが直接行えるようになりました。
2011年5月には、ZUNTATAによる東方Projectのアレンジ曲が収録されたCDの配布イベントが開催されました。
2011年7月には、公式スコアアタック大会「東方Projectアレンジ曲祭りEX スコアアタック大会@WEB」が開催されました。

筐体の種類

初代（通称「白筐体」）：画面サイズ32インチ、スピーカー2基搭載。1P側と2P側に荷物置き場があり、操作説明や収録曲一覧が記載されています。白を基調としたカラーリングで、1P側が水色、2P側がピンクです。すべてのシリーズを稼働させることができます。
2代目（通称「黒筐体」）：『2』から登場。画面サイズ28インチ、白筐体よりもコンパクト。スピーカーは画面上部に2基、ミューガン置き場の隣にそれぞれ1基ずつ設置。筐体中央に左右・決定ボタンと荷物置き場が設置されています。黒を基調としたカラーリングで、ガンコントローラーの一部が1P側は青、2P側はピンクです。

プレイの詳細

エントリー

1クレジット以上のコインを投入後、ミューガンで画面を撃つとゲームがスタートします。次にプレイ人数（1人または2人）を選択します。2人でプレイするには2クレジットが必要です。『2』では、チュートリアルを行うかどうかを選択できます。

楽曲・難易度の選択

選曲画面で楽曲を選択した後、難易度を決定します。筐体のボタンとミューガンの両方で操作できます。難易度選択中は「戻る」で選曲画面に戻れます。

基本ルール

飛んでくる「音モンスター」を、音楽に合わせてタイミングよく撃ちます。タイミング良く撃つと効果音やメロディーが鳴り、音楽を装飾します。撃つ場所とタイミングは、画面上に表示される円形の「マーカー」によって示されます。1Pが青、2Pが赤で、2人プレイでは協力プレイとなり、同じ色のマーカーを撃つ必要があります。

ゲージとクリア条件

音モンスターをタイミング良く撃つことでゲージが増加し、演奏終了時にクリアラインに達していればクリアとなります。2人プレイでは1本のゲージを共有します。ゲージの増減は難易度によって変化します。クリアの成否は、ストーリーに応じて「MISSION COMPLETE」「MISSION FAILED」と表示されます。

チャンスタイム

演奏途中には「チャンスタイム」が用意されており、スコアアップとゲージ回復のチャンスとなります。大量に出現する音モンスターをできるだけ多く撃ち、一定割合以上撃つとゲージが回復します。

プレイ内容の評価

1曲終了後に表示される曲別評価と、規定曲数をクリアした後の総合成績の2つがあります。曲別評価は、音モンスターを撃った際のPERFECT判定数によって7段階で評価されます。総合成績では、アルファベット評価に加え、「○○な××」という形の称号が与えられます。

ネームエントリー

総合成績のスコアがランクインした場合、ネームエントリーができます。入力できるのは4文字までで、大文字アルファベットと一部記号が使用できます。

判定・撃ち方の種類

タイミングの評価は、「PERFECT」「GREAT」「GOOD」「BAD」「MISS」「ESCAPE」の順で、上位3つでスコアやコンボが入ります。10コンボ以上になるとコンボ数が表示されます。「BAD」にはゲージの増減がなく、「MISS」以下ではダメージとなります。「ESCAPE」はダメージが大きいです。

譜面・難易度

曲によって譜面数や難易度のコースは異なり、1人・2人用限定の曲もあります。難易度はコースとは別に、『超増加版』以前では★、『2』では数字が付いています。

オプション

HIDDENモード：マーカーが途中で消えます。
SUDDENモード：マーカーがギリギリまで表示されなくなります。
MIRRORモード：マーカーや音モンスターの左右の位置が反転します。
STEALTHモード：マーカーが光るタイミングにしか表示されず、引きっぱなしの点線も表示されなくなります。

キャラクター

ミューズポリスステーション（人間）

音楽の星「ミューズ星」唯一の交番に勤務する警察官で、たま（猫野たま）ともも（宇佐木もも）の2人組です。ペットとして、黒猫のブラックとうさぎのミルクを飼っています。

サウンドイーターズ

ミューズ星の音を奪った敵キャラで、レッドイーター、ブルーイーター、イエローイーターの3人兄弟です。演奏時には音モンスターを投げてきます。

2 (『ミュージックガンガン!2』)

主人公格

シアンとマゼンタの2人組で、シアンはクールな少年、マゼンタは気が強い少女という設定です。

サウンドイーター

飛行生物に変更され、音符の形をした音モンスターを操ります。

オリジナル楽曲

シリーズを彩るオリジナル楽曲は、音楽ゲームファンを魅了し続けています。

備考

演奏中は、サウンドイーターを追う演出がされます。
ランキングや譜面別スコアは、初期設定でも一定の点数が入っています。
他社ゲーム作品からも、多数の楽曲が収録されています。
* 一部楽曲は、『グルーヴコースター』にも収録されています。

もう一度検索