アルバート・リー

アルバート・リー（Albert Lee、1943年12月21日 - ）は、その卓越したギターテクニックと幅広い音楽性で知られる、イングランド出身のギタリストです。カントリー、R&B、ロックなど、多岐にわたるジャンルで活躍し、「Guitar player's guitar player（ギタリストのためのギタリスト）」と評されるほど、多くのミュージシャンから尊敬を集めています。

初期の音楽活動

音楽好きの父親の影響を受け、7歳でピアノを始めましたが、バディ・ホリーに触発されギターに転向。16歳という若さでプロとしてのキャリアをスタートさせました。

1960年代には、ニール・クリスチャンのバックバンドにジミー・ペイジの後任として参加。その後、1964年にクリス・ファーロウが結成したクリス・ファーロウ&ザ・サンダーバーズに加入し、デイヴ・グリーンスレイドやカール・パーマーといった実力派ミュージシャンと共に活動し、その名を高めました。

1970年代：カントリー・ロックへの傾倒とアメリカ進出

1970年には、カントリー・ロックバンド、ヘッズ・ハンズ&フィートを結成。また、リッチー・ブラックモア、ビッグ・ジム・サリヴァン、イアン・ペイスらが参加した覆面セッションバンド、グリーン・ブルフロッグにも参加し、1971年にアルバムをリリースしました。

1974年、ヘッズ・ハンズ&フィート解散後、アメリカ合衆国カリフォルニア州に移住。セッション・ギタリストとして高い評価を得て、ジョー・コッカーやエミルー・ハリスなど、著名なアーティストと共演する傍ら、A&Mレコードとソロ契約を結びました。

ソロ活動とエリック・クラプトンとの共演

1979年には、エリック・クラプトンのバックバンドに加入し、同年、A&Mから初のソロアルバム『ハイディング』を発表。このアルバムに収録された「カントリー・ボーイ」は、1984年にリッキー・スキャッグスによってカバーされ、翌年にはリッキーのシングルバージョンがビルボードのカントリーチャートで1位を獲得する大ヒットとなりました。また、クラプトンのライブアルバム『ジャスト・ワン・ナイト〜エリック・クラプトン・ライヴ・アット武道館〜』では、『ハイディング』収録曲「セッティング・ミー・アップ」（ダイアー・ストレイツのカバー）で、アルバート・リーのリードボーカルを聴くことができます。

エヴァリー・ブラザーズとの共演とリズム・キングスへの参加

1983年、エヴァリー・ブラザーズの再結成コンサートでバックを務めました。1990年代以降は、ホーガンズ・ヒーローズや、ビル・ワイマン率いるリズム・キングスで活動しました。

ジョージ・ハリスン追悼コンサートへの出演

2002年には、ジョージ・ハリスンの追悼コンサート「コンサート・フォー・ジョージ」に出演し、その演奏で観客を魅了しました。

ディスコグラフィ

ソロ・アルバム
Hiding（1979年）
Albert Lee（1982年）
Speechless（1987年）
Gagged But Not Bound（1988年）
Heartbreak Hill（2003年）
Road Runner（2006年）
アルバート・リー & ホーガン・ヒーローズ
In Full Flight: Live At Montreux（1994年）
Tear It Up（2002年）
Live In Paris（2004年）
In Between The Cracks（2007年）
Live At The New Morning（2007年）
Like This（2008年）
ヘッズ・ハンズ&フィート
Heads Hands & Feet（1971年）
Tracks（1972年）
Old Soldiers Never Die（1973年）

アルバート・リーは、半世紀以上にわたり、その卓越した才能で音楽界に貢献し続けている、まさに生ける伝説と言えるでしょう。

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