フジゲン

フジゲン株式会社：楽器製造から自動車内装材まで幅広く展開する老舗メーカー

フジゲン株式会社は、長野県松本市に本社を置く楽器製造メーカーです。1960年の創業以来、エレキギターを中心に、オルゴールや和太鼓といった多様な製品を製造してきました。近年は、自動車内装材製造が売上高の大部分を占めるまでに成長を遂げています。

楽器製造：高い技術力とOEM生産

フジゲンは、自社ブランドである「FGN Guitars」の弦[[楽器]]の製造・販売を行う一方で、アイバニーズやG&Lミュージカル・プロダクツといった大手メーカーへのOEM生産も積極的に行っています。特にエレキギターの製造は、1日に120～130本という高い生産能力を誇ります。かつてはバブル景気期には1日500本の生産実績がありました。OEM生産は全体の約90％を占め、残りの10％が自社ブランド製品となっています。

東京・池袋と代官山には直営店「フジゲンカスタムハウス」を展開し、ユーザーサポートやオーダーメイドにも対応しています。オンラインショップでも自社ブランド製品の販売やオーダーを受け付けています。

多角化：木材加工技術を生かした事業展開

フジゲンの技術力は楽器製造のみに留まりません。培ってきた高度な木材加工技術を活かし、蕎麦打ち道具や、トヨタ自動車・レクサス向けの木製内装材といった自動車部品の製造も手掛けています。現在では、この自動車内装材製造がフジゲンの主力事業となっています。

歴史：コピー製品製造から独自のブランド確立へ

創業当初はクラシックギターの製造が中心でしたが、1960年代後半からはグレコやアイバニーズなどのブランドで、ギブソンやフェンダーのコピー製品の製造を始めました。1977年にはギブソン社から商標侵害で訴訟を起こされましたが、和解に至り、この経験を踏まえ、オリジナルブランドの確立に力を入れるようになりました。

フェンダー社とは技術提携を行い、フェンダージャパンやスクワイアブランドの製品製造にも携わりました。アメリカ工場の設立にも技術支援を行い、1980年代には世界一のギター出荷量を記録するなど、成長を遂げました。しかし、1990年代のバブル崩壊後は新興国の台頭や景気悪化の影響を受け、事業の縮小を余儀なくされました。

現在：新たな挑戦

2000年代以降は、自動車内装材製造を主力事業とする一方で、自社ブランドの楽器製造にも注力し、独自の技術を開発しています。2002年には「サークル・フレッティング・システム（C・F・S）」という特許技術を開発し、ギター製作の精度向上に貢献しています。

フジゲンは、創業以来培ってきた技術力と多様な事業展開を通じて、楽器製造という枠を超えた成長を続けています。今後、どのようなイノベーションを起こしていくのか、注目が集まります。

主要製品

ギター、ベース：Expert、Masterfield、Neo Classic、J-Standardなど
ウクレレ：FGN Acoustic（Standard Traditional、Entry Traditional）など
オルゴール
和太鼓：長胴太鼓、平胴太鼓、締太鼓など
蕎麦打ち道具

過去にOEM生産を行った主な企業・ブランド

星野[[楽器]]（Ibanez）
フェンダー
G&L
ミュージックマン
ギブソン
ヤマハ
島村楽器
その他多数

生産拠点

本社工場（長野県松本市）：ウッドパネル製造
大町工場（長野県大町市）：木材加工、楽器製造・組み立て
安曇野第1・第2工場（長野県安曇野市）：オルゴール・和楽器・ウッドクラフト製造
広丘工場（長野県塩尻市）：塗装
オホーツク工場（北海道紋別郡）：木材加工・塗装

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