ミュージ郎

ミュージ郎とは



ミュージ郎は、ローランドが発売していたデスクトップミュージック(DTM)のパッケージ製品のブランド名です。音源モジュールとシーケンサーソフトウェアをセットにし、手軽に音楽制作を始められるようにした製品として、DTM黎明期から多くのユーザーに支持されました。

製品の特徴



ミュージ郎の主な特徴は、以下の点が挙げられます。

音源モジュールの同梱:SCシリーズをはじめとするローランド音源モジュールが同梱されており、高品質な音色をすぐに利用できました。
シーケンサーソフトウェアの同梱:バラードやSinger Song Writerなどのシーケンサーソフトウェアが付属し、作曲から編曲まで一貫して行えました。
豊富な周辺ソフトウェア:用語集ソフトやPCカラオケソフトなど、音楽制作をサポートする様々なソフトウェアも同梱されていました。
幅広いラインナップ:時代やニーズに合わせて様々なモデルが発売され、ユーザーは自分に合った製品を選択できました。

主な製品ラインナップ



ミュージ郎は、数多くのモデルが発売されました。以下に主な製品をまとめます。

初代ミュージ郎:CM-64音源モジュールを同梱。LA音源PCM音源を組み合わせた画期的な製品で、付属のソフトウェアでは譜面に直接マウスで入力する方式を採用。
ミュージ郎Jr.BOARD:CM-32L相当の音源とMPU-PC98を搭載したLAPC-Nを同梱。別途MIDIコネクタボックスが必要でした。
ミュージ郎Jr.NOTE:ノートパソコンに接続可能なCM-32LN音源モジュールを同梱。
ミュージ郎55:SC-55mkII音源モジュールを同梱。
ミュージ郎BASIC:SC-7音源モジュールを同梱。
ミュージ郎300:CM-300音源モジュールを同梱。
ミュージ郎500:CM-500音源モジュールを同梱。
ミュージ郎300BOARD:SCC-1A音源ボードを同梱。
ミュージ郎BOARDⅡ:SCC-2音源ボードを同梱。
ミュージ郎5500:SC-55ST音源モジュールを同梱。
ミュージ郎8800:SC-88VL音源モジュールを同梱。
ミュージ郎SK-50:MIDIキーボードと一体型のSK-50IV音源モジュールを同梱。リアルタイム入力に対応。
ミュージ郎XP-10:XP-10音源モジュールを同梱。
ミュージ郎88Proシリーズ:SC-88Pro、SK-88Pro、SC-88ST Proのいずれかの音源モジュールを選択可能。
ミュージ郎8850・ミュージ郎8820:それぞれSC-8850、SC-8820を同梱。Singer Song Writer 5.0をバンドル。
ミュージ郎デジタル・スタジオ:オーディオインターフェース内蔵のSC-D70とCakewalk Home Studio 9をバンドル。
ミュージ郎ソナー・デジタル・スタジオ:SC-D70とCakewalk SONARをバンドル。
ミュージ郎V6シリーズSinger Song Writer 6.0をバンドル。SC-8850、SC-8820、SC-D70のいずれかの音源を選択可能。
ソナー・デジタル・スタジオ SD-90同梱モデル:SD-90音源モジュールとCakewalk SONARをバンドル。ミュージ郎の名は消滅。
ミュージ郎ネットスタジオ:SD-20音源モジュールとインターネットコンテンツに対応した「ミュージック・クリエーター」をバンドル。ネット環境が必須。
PCレコーディングパック:UA-20オーディオインターフェース、Cakewalk Home Studio、Hyper Canvasを同梱。

DTMの進化とともに



ミュージ郎の各モデルは、DTMの進化に合わせて、搭載される音源モジュールやソフトウェアが進化しました。初期はLA音源PCM音源といったシンセサイザー音源が中心でしたが、次第にオーディオインターフェースを内蔵したモデルやDAWソフトウェアをバンドルしたモデルが登場しました。

また、シーケンサーソフトウェアも、初期の譜面入力型から、より多機能なDAWへと進化を遂げました。

ミュージ郎の終焉とその後



ミュージ郎は、DTMの普及に大きく貢献しましたが、その後、個別の音源モジュールやソフトウェアの販売が主流となり、パッケージ製品としてのミュージ郎は姿を消しました。

しかし、ミュージ郎の思想は、ローランドのDAWやMIDIインターフェースなど、その後の製品にも受け継がれています。

関連製品



ミュージくん:ミュージ郎の前身となる製品。
デスクトップミュージック:ミュージ郎が属する音楽制作のジャンル。
GS:ミュージ郎に搭載されていた音源モジュールが対応していた規格。

ミュージ郎は、DTMの歴史において重要な役割を果たした製品であり、その技術や思想は、現在の音楽制作環境にも影響を与えています。

もう一度検索

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。