ミラクル〜奇跡

ミラクル〜奇跡

『ミラクル〜奇跡』（英: Miracle）は、カナダの人気歌手セリーヌ・ディオンとオーストラリアの写真家アン・ゲデスが手がけたコンセプト・アルバムです。このアルバムは2004年10月11日にリリースされ、ディオンのキャリアにおいて33枚目、英語版としては12枚目にあたります。

アルバムの概要

本作は単なる音楽アルバムではなく、出産にまつわる喜びをテーマにした写真集「ミラクル」に合わせたサウンドトラックとして制作されました。このユニークな試みは、音楽と写真が掛け合わさることで、聴く人に特別な感動やインスピレーションを与えることを目的としています。

アルバムのほとんどの楽曲は、音楽プロデューサーのデイヴィッド・フォスターが手掛けました。フォスターは以前、ディオンの作品に多く関わっていましたが、1999年以降、本作までプロデュースには参加していませんでした。

収録曲の特徴

このアルバムには、過去の名曲のカバーが多く収められています。具体的には、ジョン・レノンの「ビューティフル・ボーイ」、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」、ロバータ・フラックの「愛は面影の中に」、「ブラームスの子守歌」など、幅広いジャンルの楽曲が含まれています。これらの楽曲は、ディオン独特の温かい歌声によって新たな命を吹き込まれており、聴く人々に深い感動を与えます。

オリジナル曲の中で特に注目されるのがタイトルトラックです。この曲は、ディオンの息子ルネ・シャルルの誕生を祝う意味を込めて制作され、初めは2001年のアルバム『ア・ニュー・デイ・ハズ・カム』に収録予定でしたが、結果的に収録されず未公開となった経緯があります。

ディオンがカバーした曲の中には、他のアルバムでも聴くことができるものもあります。「ブラームスの子守歌」や「愛は面影の中に」は、過去に発売された『スペシャル・タイムス』や『ザ・ベリー・ベスト』にも収録されています。

このアルバムは、3つの形態でリリースされました：標準のCD、CD/DVDと60ページのブックレット、180ページのハードカバーブックとCD/DVDのセットです。特にフランス語圏では、前作のボーナストラックが追加されたバージョンも存在しています。

シングルのリリース

『ミラクル〜奇跡』からは、複数のシングルがリリースされました。北米とヨーロッパの一部地域では「ビューティフル・ボーイ」が最初にシングルとして出されました。続いてアメリカとカナダでは「イン・サム・スモール・ウェイ」がリリースされ、イギリスやアジアの一部ではタイトルトラックが注目され、フランス語圏では「私は彼に言うでしょう」がシングルとして販売されました。

興味深い点は、これらのシングルはすべてラジオ専用で発売されたものであり、ミュージック・ビデオは制作されていないということです。このような試みは、音楽そのものが聴衆に直接響くことを重視したスタイルとも言えるでしょう。

まとめ

『ミラクル〜奇跡』は、セリーヌ・ディオンの音楽的表現と写真家アン・ゲデスのビジュアルアートが見事にクロスオーバーした作品です。出産の喜びという普遍的なテーマを通じて、聴く人の心に響く深いメッセージを伝えており、その美しいメロディーと感情豊かな歌声は、時を超えて愛され続けることでしょう。

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