ミラ・アンドレーワ

ロシア出身の女子プロテニス選手、ミラ・アンドレーワは、その若さにも関わらずWTAツアーで目覚ましい活躍を見せ、テニス界の期待の星として注目を集めています。右利きで両手打ちのバックハンドを武器に、攻撃的なプレーを展開する彼女は、身長175cmの恵まれた体格を生かし、今後のさらなる飛躍が期待されています。姉のエリカ・アンドレーワも同じくプロテニス選手として活動しており、姉妹での活躍にも注目が集まっています。

キャリアの歩み

プロツアーへの第一歩（2022年）

2007年 4月29日にクラスノヤルスクで生まれたミラ・アンドレーワは、2022年10月、チュニジアで開催されたジャスミン・オープンでWTAツアーにデビューしました。ワイルドカード（主催者推薦）での出場でしたが、初戦で同胞の強豪アナスタシア・ポタポワに敗れ、ほろ苦いスタートとなりました。

ジュニアでの活躍とプロでの飛躍（2023年）

2023年シーズンは、彼女にとって大きな飛躍の年となりました。まず、1月の全豪オープン・ジュニア女子シングルス部門では、第7シードとして出場。順調に勝ち進み、決勝では惜しくもアリナ・コルネエワに敗れましたが、準優勝という成績を残し、ジュニア世代での実力を示しました。

同年4月には、WTA1000に格付けされるムチュア・マドリード・オープンにワイルドカードで参戦。1回戦でレイラ・フェルナンデスを破った勝利は、WTA1000大会で勝利を挙げた選手として、ココ・ガウフ、シシ・ベリスに次ぐ史上3番目の若さという歴史的な快挙でした。勢いは止まらず、2回戦で第13シードのベアトリス・ハダッド・マイア、3回戦で第17シードのマグダ・リネットといった実力者を連破し、ベスト16に進出。4回戦で最終的に優勝したアリーナ・サバレンカに敗れたものの、世界のトップレベルに通用することを証明し、大会後にはWTAランキングを146位まで大きく上げました。

続いて、5月の全仏オープンでグランドスラム本戦に初出場を果たし、1回戦でアリソン・リスク、2回戦でディアーヌ・パリーに勝利して3回戦に進出。この大会で優勝候補の一人だった第6シードのココ・ガウフに敗れましたが、プロ初となるグランドスラムで結果を残しました。

7月のウィンブルドン選手権では、予選を勝ち抜いて本戦入り。1回戦で王希宇、2回戦で第10シードのバルボラ・クレイチコバ、3回戦ではアナスタシア・ポタポワを撃破し、快進撃を見せました。自身初のグランドスラム4回戦に進出しましたが、第25シードのマディソン・キーズに惜敗しました。

8月の全米オープンでは、1回戦でオリヴィア・ガデツキに勝利しましたが、2回戦でこの大会で優勝を飾った第6シードのココ・ガウフに再び敗れました。この年を通じてコンスタントな活躍を見せ、9月のチャイナ・オープン3回戦でエレーナ・リバキナに敗れた後、WTAランキングでトップ50入りを果たしました。シーズン終了後には、その飛躍が評価され、WTAアワードの新人賞を受賞しました。

ツアー初優勝とオリンピックメダル（2024年）

2024年に入っても、ミラ・アンドレーワの快進撃は続きました。1月のブリスベン国際では、自身初のWTAツアー大会でのベスト8に進出。同月の全豪オープンでは、2回戦で当時世界ランキングトップ10だった第6シードのオンス・ジャバーを破る金星を挙げ、トップ選手からの初勝利を記録しました。大会では4回戦まで進みましたが、第9シードのバルボラ・クレイチコバに敗れました。

7月には、ルーマニアで開催されたヤシ・オープン（WTA250）に出場。決勝まで勝ち進み、エリナ・アヴァネシャンをストレートで破り、待望のWTAツアー初優勝を飾りました。

同月に開催されたパリオリンピックには、女子シングルスと女子ダブルスの両種目に出場。シングルスは初戦で敗退しましたが、ディアナ・シュナイダーとペアを組んだ女子ダブルスで快進撃を見せました。2回戦で第5シード、準々決勝で第2シードの強豪ペアを次々と破り、準決勝も突破。決勝ではイタリアペアに敗れましたが、見事な銀メダルを獲得しました。このメダルは、パリオリンピックに個人参加資格（AIN）で出場したロシア人選手が獲得した唯一のメダルであり、歴史的な価値を持つ功績となりました。

成績と自己最高ランキング

ミラ・アンドレーワはこれまでにWTAツアーでシングルス3勝、ダブルス2勝を挙げています。自己最高ランキングは、シングルスで6位、ダブルスで14位（いずれも2024年現在）を記録しており、世界のトップ選手としての地位を確立しつつあります。若くして主要大会で実績を残しており、今後のテニス界を牽引する存在となることが期待されています。

もう一度検索