ミルカ型フリゲート

ミルカ型フリゲート

ミルカ型フリゲート（Mirka class frigate）は、ソビエト連邦海軍が運用していた警備艦（SKR）の艦級で、NATOコードネームが付与されています。ソ連海軍ではこの艦は35型警備艦（Сторожевые корабли проекта 35）として知られています。ミルカ型には原型と改良型が存在し、それぞれ35型（ミルカ-I型）と35M型（ミルカ-II型）と呼ばれます。

概要

この艦級の設計は、ソ連海軍が前級のペチャ型フリゲートにおいて初めてガスタービンエンジンを導入したことに始まります。ミルカ型では、その改良型エンジンを用いることで、出力を強化し、ディーゼルエンジンの性能も向上しました。これにより燃費や航続距離の改善が図られました。ミルカ型は1964年から1967年の間に全18隻が建造されました。

艦のデザインは、鋭い艦首から始まり、76.2mm連装砲が1基と対潜ロケット砲が艦橋の前端に配置され、艦橋上部にはマストが設置されていました。その後の改装により、艦は大きく2つのタイプに分類されるようになりました。

35型（ミルカ-I型）

ミルカ型の第一のバリエーション、35型は、9隻から10隻が改装され、400mmの5連装魚雷発射管が1基、RBU-6000対潜ロケット砲が4基搭載されました。特にこの改装は、艦の対潜能力を大幅に向上させています。

35M型（ミルカ-II型）

一方で、35M型は8隻から9隻が改装され、こちらは400mmの5連装魚雷発射管を2基と、RBU-6000対潜ロケット砲を2基装備しています。さらに、最新のハードウェアとして高周波のディッピングソナーとスリム・ネット対空レーダーも搭載され、戦術能力が強化されています。

建造と配備

本級の艦はすべてカリーニングラードの沿バルト海造船工場「ヤンターリ」で建造され、バルチック艦隊や黒海艦隊にそれぞれ配備されましたが、他の艦隊への配置は行われていません。この艦級は全て旧ソ連海軍で運用されており、同盟国への貸与はなされていませんでした。また、ミルカ型の進化版であるコニ型フリゲートも開発され、こちらは14隻が就役し、全てが同盟国に輸出されました。

退役と後継艦

1989年から1992年にかけて、ほぼ全艦が退役することとなります。その後、1000トンから2000トン級フリゲートの直接の後継艦として、ゲパルト型フリゲートが開発されましたが、その配備には遅延が見られました。

事件の記録

特筆に値する出来事として、黒海艦隊に所属していたSKR-6は1988年にアメリカ海軍のスプルーアンス級駆逐艦「カロン」との接触事故を起こしました。この事件は、国際的な緊張を引き起こす一因ともなりました。

性能要目

詳細な性能については、それぞれの型で異なりますが、一般的には強力な対潜能力と武装で攻撃に対処する能力が求められていました。

参考文献

関連情報として、様々な専門書や資料が存在するため、興味があればぜひ手に取ってみてください。

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