ミロシュ・ブーチェビッチ

ミロシュ・ブーチェビッチ：セルビアの首相

ミロシュ・ブーチェビッチ（Miloš Vučević）は、1974年12月10日にノヴィ・サドで生まれたセルビアの政治家であり、弁護士です。2024年からはセルビア共和国の第6代首相を務めています。

生い立ちと初期のキャリア

ユーゴスラビア社会主義連邦共和国時代の1974年にノヴィ・サドで生まれ、2002年にノヴィ・サド大学法学部を卒業しました。政治の世界へは、父親が幹部を務めていたセルビア急進党（SRS）の党員として足を踏み入れました。その後、SRSが分裂すると、トミスラフ・ニコリッチとアレクサンダル・ヴチッチが率いるセルビア進歩党（SNS）に加わり、ヴチッチの側近として同国の政治に関与してきました。

ノヴィ・サド市長として

2012年の地方選挙後、ブーチェビッチはSNS党員の支持を得てノヴィ・サド市長に選出されました。2016年の選挙でも再選され、市長としての手腕を発揮しました。

副首相兼国防大臣

2022年10月23日、セルビア進歩党のアレクサンダル・ヴチッチ党首は、ブーチェビッチをセルビアの次期副首相兼国防大臣に推薦すると発表しました。これを受けてブーチェビッチはノヴィ・サド市長を辞任し、アナ・ブルナビッチ内閣で副首相兼国防大臣に就任しました。

セルビア進歩党党首

2023年5月27日には、セルビア進歩党（SNS）の党首に選出され、党を率いる立場となりました。

セルビア共和国首相

2023年の議会選挙でSNSを勝利に導き、2024年3月30日には、ヴチッチ大統領から新内閣を組閣する権限を与えられ、5月2日に正式に首相に選出されました。

外交と課題

ブーチェビッチは、コソボを独立国家として認めることはできないという立場を明確にしています。2024年7月には、日本の上川陽子外務大臣から表敬訪問を受けました。

新型コロナウイルス感染とその後

2024年7月30日、ブーチェビッチは新型コロナウイルスに感染していることが判明しましたが、在宅治療を受けながら公務を続けました。

首相辞任

2024年11月1日にノヴィ・サドの鉄道駅で発生した屋根崩落事故をきっかけに、政府への抗議デモが全国に広がり、政権への批判が高まりました。2025年1月28日、ブーチェビッチは首相を辞任しました。特に、問題となったノヴィ・サド駅舎が一帯一路関連事業で改修されたばかりであったこと、工事の詳細な資料が機密扱いとされたことなどが、国民の不満を増大させる要因となりました。

ミロシュ・ブーチェビッチは、セルビアの現代政治において重要な役割を果たした政治家の一人です。彼の政策と行動は、セルビア国内外に大きな影響を与え続けています。

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