ミロスラヴ・ライチャーク

ミロスラフ・ライチャーク（Miroslav Lajčák、1963年3月20日 - ）は、スロバキアの政治家、外交官であり、現在はEU特別代表（西バルカン地域問題担当）を務めています。彼はスロバキアの副首相、外相を歴任し、国際政治の舞台で重要な役割を果たしてきました。

経歴

ライチャークは、ブラチスラバのコメンスキー大学で法学を修め、モスクワ国際関係大学で国際関係論の修士号を取得しました。また、ドイツのジョージ・C・マーシャル欧州安全保障研究センターの卒業生でもあります。彼の学歴は、国際政治と外交における彼の専門知識の基盤となっています。

共産主義体制崩壊前は共産党員でしたが、1988年にチェコスロバキア外務省に入省しました。その後、在ロシアチェコスロバキア大使館職員、ヨゼフ・モラヴチーク外相の官房長、駐日本大使、在ユーゴスラビア連邦共和国大使（アルバニア、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国兼轄）を歴任しました。2006年には、モンテネグロ独立の是非を問う国民投票でEUの選挙監視員を務めました。

2007年、ボスニア・ヘルツェゴビナ上級代表兼EUボスニア・ヘルツェゴビナ特別代表に就任し、2009年までその職を務めました。2009年1月には、第一次フィツォ内閣に外相として入閣し、2010年7月まで在職しました。2010年12月には、EUの欧州対外行動局のロシア・東方近隣・西バルカン局長に任命され、2012年4月まで務めました。

2012年4月には、無所属ながら第二次フィツォ内閣の外相兼副首相に指名されました。彼は潘基文国連事務総長の後任候補と見られていましたが、2016年5月に正式に立候補を表明しました。しかし、国連総会はアントニオ・グテーレスを次期事務総長に任命しました。2017年5月、国連総会において第72会期の総会議長に満場一致で選出されました。

2018年11月、国連による移民協定への参加が議会で否決されたことを理由に外相辞任を表明しましたが、後に撤回しました。2020年3月に外相を退任し、同年4月にはセルビア＝コソボ対話、および西バルカン地域問題を担当するEU特別代表に就任しました。2022年、日本政府より旭日大綬章を受章しました。

人物

ライチャークは、英語、ドイツ語、ロシア語、ブルガリア語、セルビア語に堪能であり、多言語を操る国際的な人物です。彼は離婚経験があり、その後、テレビのニュース番組司会者と再婚しました。2007年には、ボスニアの新聞から「今年の人」賞を受賞するなど、その活動は高く評価されています。

ミロスラフ・ライチャークは、スロバキアおよび国際社会において、その外交手腕とリーダーシップを発揮し続けています。

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