ミンスク (空母)

航空母艦ミンスクの歴史

航空母艦ミンスク（Минск）はソビエト連邦海軍の重要な艦船であり、重航空巡洋艦とも称される。彼女はキエフ級航空母艦の2番目の艦として1974年に進水し、1978年に正式に竣工した。その艦名は、現在ベラルーシの首都となっている都市に由来している。

ミンスクはウラジオストクに配属され、ソ連太平洋艦隊の一員として活躍していた。特に、対馬海峡などを航行する姿が報道されており、当時の日本においては「ソ連脅威論」の象徴的存在となっていた。この艦船がもたらした国際的緊張や恐怖が、日本国内でのソ連への見方に強い影響を与えていたことは否めない。

艦歴の変遷

ミンスクは1989年に機関事故が発生し、以降は行動不能な状態となってしまった。その後、1991年頃には退役し、長い間ロシアのナホトカやソヴィエツカヤ・ガヴァニに係留されていた。しかし、1995年に韓国企業に売却され、韓国のアジア通貨危機の影響により1997年に中国の企業に転売された。最終的に、広東省の深圳で軍事テーマパークに改装されることとなった。

1999年11月3日、テーマパークにおいて火災が発生し、ミンスクは全焼してしまう。しかし、2000年6月には再び深圳で「ミンスク・ワールド」という名前のテーマパークとしてオープンすることが叶った。

2005年には運営会社の親会社が倒産し、それに伴いミンスク・ワールドも閉鎖される事態となった。2006年には別の企業に競売で落札され、その後営業が再開し、再び空母の見学が可能となった。

中国での新たな運命

2016年には、ミンスクが深圳から撤去され、今度は南通市に移され整備が行われることになった。この時、ミンスクは新たに建設される予定の空母展示公園に移航されていった。2019年、ミンスクは中国江蘇省南通市にある揚子江近くで保管されている状況だった。この公園は2017年に開園予定であったが、開園予定から遅延している状況であった。

そして2024年8月、南通市内で火災が発生し、ミンスクは半ば水上廃墟と化してしまった。幸いにも翌日には鎮火したものの、艦橋の大部分が焼失してしまった。再びテーマパークとするための改装中に出火した事故である可能性が指摘されている。

ミンスクの文化的影響

航空母艦ミンスクは、その歴史や背景からさまざまなメディアに取り上げられている。例えば、漫画『沈黙の艦隊』では沖縄沖海戦の中でソ連太平洋艦隊の艦として登場し、原子力潜水艦「やまと」との戦闘描写がなされている。

また、アーケードゲーム『エリア88』やコミック『気分はもう戦争』においても、その存在が取り上げられている。"

特に『愛國戦隊大日本』ではミンスクを擬人化したキャラクターが登場し、当時のソ連脅威論をパロディ化している。こういった作品を通じて、ミンスクは日本のポップカルチャーにおいても影響を与える存在となっている。

航空母艦ミンスクはただの艦船に留まらず、その存在が冷戦時代の政治的背景や文化に影響を及ぼした複雑な物語を秘めている。彼女の歴史は、単なる軍艦の枠を超えて、国際社会の動向や人々の意識に深く根ざしたものであると言える。

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