ミントセット

ミントセットとは

ミントセットとは、各国の造幣局が発行する硬貨を、未使用の状態で専用ケースに収納し、販売するものです。これは「貨幣セット」とも呼ばれ、コイン収集家にとって非常に重要なアイテムとなっています。その理由は、確実に完全未使用品を入手できる点にあります。

日本のミントセット

日本では、造幣局が様々なミントセットを頒布しています。主なものとして、以下の3種類が挙げられます。

1. 通常貨幣セット（ミントセット）

- 造幣局が、完全未使用の通常貨幣をプラスチックケースに収納したものです。
- 1969年（昭和44年）に「通常貨幣セット」として国外向けに頒布が開始され、1975年（昭和50年）から国内での頒布が始まりました。
- 1976年（昭和51年）からは、干支図案の年銘板が組み込まれるようになり、以降、ケースのデザインや頒布価格は時代とともに変遷しています。
- 1990年（平成2年）に「ミントセット」という通称が用いられるようになり、1998年（平成10年）に正式名称となりました。
- 消費税導入後は、頒布価格が税込表示となっています。
- 2021年（令和3年）には、五百円改鋳版を含むセットが販売されました。
- 記念貨幣を追加したセットは、上記の通常貨幣セットには含まれません。
- ミントセットを含む貨幣セットの送料は、頒布価格に含まれています。

通常貨幣セットの主な変遷



2. 行事用貨幣セット

- 造幣局の「桜の通り抜け」や「コインフェア」などの行事に合わせて、特別な外装紙を用いた貨幣セットが頒布されます。
- 1987年（昭和62年）より、造幣局構内やコインフェア会場で販売されています。

3. プルーフセット

- 硬貨を磨き上げ、鏡面仕上げにした特別製造のプルーフ貨幣を、人工革製のケースに封入したものです。
- 1987年（昭和62年）に頒布が開始されました。
- 年銘板付きと年銘板なしのものが販売されています。

通常プルーフ貨幣セットの主な変遷



4. 記念貨幣セット

- 記念貨幣の中にも、造幣局が直接販売するものがあります。
- 特に額面が1000円以上で、なおかつ販売価格がそれを上回るプレミアム型の記念貨幣で顕著です。
- 素材に貴金属を使用したり、プルーフ仕上げや彩色などの特殊な技術を用いて製造されることが多いです。

日本国外のミントセット

韓国、台湾、シンガポールなどでも、ミントセットが発売されています。これらの国々では記念貨幣セットが多く見られます。特に韓国では、現在一般流通していない1ウォンや5ウォン硬貨がセットに含まれているのが特徴です。

関連項目

• - 通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律
• - 日本銀行券
• - 日本の硬貨
• - プルーフ貨幣
• - 収集型金貨
• - en:United States Mint coin sets - 米国のミントセット

外部リンク

• - 通常貨幣セット&ミントセット（独立行政法人造幣局サイト内）

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