ムシキング・テリー

ムシキング・テリー：覆面レスラーの謎と魅力

ムシキング・テリーは、プロレスリング・ノアを主戦場としていた異色の覆面レスラーです。セガ（現セガホールディングス）のアーケードゲーム「甲虫王者ムシキング」の世界観をベースにしており、そのユニークなキャラクター設定で多くのファンを魅了しました。

概要

ムシキング・テリーは、ムシキング研究所に伝わる伝説のマスクを被った若手レスラーが変身した姿という設定です。初代と2代目が存在し、それぞれ異なるレスラーがマスクを被り、リング上で活躍しました。

初代ムシキング・テリー

初代は、ムシキング研究所のネブ博士と親交のある三沢光晴が、ブラック博士とのムシキングカードバトルで敗れたことをきっかけに誕生しました。三沢の特訓中に、あるレスラーが偶然マスクを被ったことで、ムシキング・テリーに変身したのです。

デビュー戦は、2005年7月18日のプロレスリング・ノア東京ドーム大会。ブラック博士が送り込んだ刺客、ムシキング・ジョーカーとの対戦でした。初代の正体は、ノア所属の鈴木鼓太郎であるという説が有力ですが、公式には発表されていません。

2代目ムシキング・テリー

2009年12月23日には、ムシキング・テリーと鈴木鼓太郎のシングルマッチ「WHO ARE YOU?」が開催されました。この時登場したテリーは、体格やコスチュームが以前と異なっており、2代目である可能性が指摘されました。試合は鈴木の負傷によりレフェリーストップでテリーが勝利。その後、テリーはリングから姿を消しました。

2016年、引退した伊藤旭彦へのインタビューで、彼が2代目ムシキング・テリーであったことが判明しました。2005年12月には初代と対戦していることから、それ以前のテリーは伊藤旭彦ではないことがわかります。

戦歴

初代

2005年7月18日、東京ドーム大会でムシキング・ジョーカーに勝利
2005年10月28日、GHCジュニアヘビー級王座に挑戦するもKENTAに敗北
2007年4月28日、ZERO1-MAXからGHCジュニアヘビー級王座を奪取
2007年10月27日、GHCジュニアヘビー級王座初防衛戦で金丸義信に敗れ王座陥落

2代目

2009年12月23日、鈴木鼓太郎とのシングルマッチで勝利（鈴木の負傷によるレフェリーストップ）

得意技

初代

ミスト・クラッシュ: ハーフネルソンとタイガー・スープレックスの複合技で、尾崎魔弓の「テキーラ・サンライズ」に酷似
ストライク・バック: 飛びつき回転十字固めの応用技で、野橋真実の「逆打ち」とほぼ同じ
サイド・ロック・ボム: 変型のデスバレーボム
アクシズ・スピン: 619と同型
ジェネシス: 変型のタイガードライバー
テラ・ドライブ: 雪崩式の腰投げ
グリーン・アロー: 鈴木鼓太郎の「ブルー・ディスティニー」と同技
フェニックス・スプラッシュ: 捻りを加えたファイヤーバード・スプラッシュ

これらの技の名前は、「甲虫王者ムシキング」に登場する技から取られています。

タイトル歴

初代

プロレスリング・ノア GHCジュニアヘビー級王座（第13代）

その他

初代の試合では、ネブ博士がセコンドとして登場し、前説で会場を盛り上げました。
ムシキングでは、キプルツヤクワガタを愛用していました。

ムシキング・テリーは、そのユニークなキャラクターと、プロレスラーとしての実力で、多くのファンを魅了しました。初代と2代目の存在、そしてその正体など、多くの謎に包まれた覆面レスラーとして、プロレス史にその名を刻んでいます。

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