ムセ・ハッサン・シェイハ・サイード・アブドゥレ

ムセ・ハッサン・シェイハ・サイード・アブドゥレ

ムセ・ハッサン・シェイハ・サイード・アブドゥレ（Muse Hassan Sheikh Sayid Abdulle）は、ソマリア出身の軍人、政治家です。彼はソマリア暫定連邦政府の統治期間終了後、民主的な議会議長が選出されるまでの9日間、連邦議会議長兼大統領代行という重要な役割を担いました。

生い立ちと教育

アブドゥレは1939年または1940年頃に生まれました。彼の出身氏族は、ソマリアの主要氏族の一つであるダロッドのオガデン支族です。1955年から1959年まで、彼は首都モガディシュにある高校（Scuola Media Superiore）で学びました。

軍歴

アブドゥレは1959年にソマリア国軍に入隊し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。彼の軍歴は以下の通りです。

1959年–1961年：モデナ陸軍士官学校に在籍
1961年：少尉に昇進
1961年-1963年：トリノのイタリア軍事研究所に在籍
1963年：中尉に昇進
1964年-1965年：モガディシュにて、大隊指揮訓練
1965年：大尉に昇進
1965年-1968年：ハルゲイサ戦車隊長
1967年：少佐に昇進
1968年-1970年：チヴィタヴェッキアのイタリア陸軍戦争学校に在籍
1970年：中佐に昇進
1970年-1971年：ハルゲイサで陸軍第26師団の司令官となる
1971年-1973年：防衛省の作戦本部長となる
1973年-1976年：モハメド・シアド・バーレ大統領の軍事顧問となる
1974年：大佐に昇進
1976年-1979年：ローマにて駐在武官
1979年-1983年：モガディシュにて調達部のメンバー
1983年-1984年：モガディシュにてアフメド・グレイ軍学校の司令官
1986年：ワシントンD.C.のアメリカ国家防衛大学
1986年：准将に昇進
1986年-1989年：バイドアで陸軍第60師団の司令官となる
* 1989年：除隊

アブドゥレは、ソマリア軍において着実に昇進を重ね、様々な要職を歴任しました。イタリアでの軍事教育やアメリカ国家防衛大学への参加など、国際的な経験も豊富です。

議会議長から大使へ

2012年8月20日、アブドゥレはソマリア暫定連邦議会議長兼ソマリア暫定大統領に就任しました。当時、彼は議会最長老の72歳でした。8月28日、モハメド・オスマン・ジャワリがソマリア内戦後初めて民主的に選ばれたソマリア連邦議会議長となり、大統領代行も兼任したため、アブドゥレは一議員に戻りました。同年10月30日には、ジブチで開催されたソマリアのための人道支援ワークショップに参加しています。

2013年6月20日、アブドゥレはシルドン首相により、在イタリア共和国ソマリア大使に任命されました。2014年3月20日には、イタリア大統領のジョルジョ・ナポリターノと会談しています。

ムセ・ハッサン・シェイハ・サイード・アブドゥレは、軍人、政治家、外交官として、ソマリアの歴史において重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

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