ムハンマド・ラクマン

ムハンマド・ラクマン・スワラディン（Muhammad Rachman Sawaludin）は、1971年12月23日生まれのインドネシア出身元プロボクサーである。「Predator（捕食者）」の異名を持ち、軽量級でその実力を発揮した。彼はIBFとWBAの二つの主要な世界ミニマム級王座を獲得した経歴を持ち、引退後もプロモーターとして母国のボクシング界を支え続けている。

プロデビューは1993年1月。インドネシア国内を主戦場に経験を積み、1999年には国内王座、2000年には地域タイトルを獲得。着実に世界の舞台へと近づいていった。

キャリア11年目、2004年9月にジャカルタでIBF世界ミニマム級王座に挑戦し、王者ダニエル・レイジェスから判定勝利を奪い、念願の世界チャンピオンとなった。IBF王座は3度防衛。元王者との負傷引き分けの後、ノックアウト勝利を重ねた。しかし、2007年7月に判定負けを喫し、王座を失った。

世界タイトルを失った後もリングに上がり続けたラクマンは、2009年にキャリア初の海外試合を経験。同年にはWBC世界ミニマム級王座への挑戦も行ったが、ベルト獲得はならなかった。さらに、2010年から2011年にかけては、キャリア初のKO負けを含む4連敗と、苦しい試練の時期を迎えた。

しかし、彼は決して諦めなかった。2011年4月、タイでWBA世界ミニマム級王者クワンタイ・シッモーセンに挑戦し、鮮やかなノックアウトで勝利。IBFに続き、WBAでも世界王座を獲得する快挙を成し遂げた。だが、この二度目の栄光はわずか3ヶ月で終わる。同年7月の初防衛戦でポンサワン・ポープラムックに判定負けを喫し、王座から陥落した。

WBA王座陥落後、一度引退を表明したが、ボクシングへの情熱から2013年に現役復帰。これまでのミニマム級からライトフライ級へ転向し、2階級制覇を目指した。復帰戦を勝利で飾り、2014年にはライトフライ級の地域タイトルを獲得。キャリアの終盤となる2015年3月にも、かつて主戦場としたミニマム級の暫定世界王座に挑戦したが、判定負けに終わり、世界への返り咲きは果たせなかった。

選手としてのキャリアを終えた後も、ムハンマド・ラクマンはインドネシアのボクシング界に貢献し続けている。自身が主催するプロモーション活動などを通じ、後進の育成や競技の発展に力を注いでいる。そのタフなボクシングスタイルと、波乱に満ちたキャリアは、多くのファンに記憶されている。

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