ムーアズクリーク橋の戦い

ムーアズクリーク橋の戦い

ムーアズクリーク橋の戦いは、アメリカ独立戦争のさなか、1776年2月27日にノースカロライナ州のウィルミントン近郊で発生した重要な戦闘です。この戦いでは、パトリオットと呼ばれる独立支持派が、スコットランド系ロイヤリストと呼ばれる英国王支持派に対して勝利を収めました。この勝利は、ナースカロライナ植民地における独立支持の強化につながり、独立に向けた政治的支援が得られるきっかけとなりました。

背景

1775年の初頭、アメリカの植民地では独立を巡る緊張が高まりを見せていました。ノースカロライナ植民地の総督であるジョサイア・マーティンは、スコットランド系開拓者とロイヤリストを一つにまとめ、独立支持派に対抗する大規模なロイヤリスト軍を築こうとしました。しかし、マーティンがロンドンに許可を請求しても拒絶され、支援を得ることができませんでした。一方で、スコットランド出身のアラン・マクリーンは成功裏にロイヤリストの徴兵を行い、北アメリカ各地域で部隊を編成していました。

1776年の初め、イギリス軍がノースカロライナに派遣されるという情報が広まり、マーティンはロイヤリストに士気を高めるよう指示しました。その直後、パトリオット側は、ロイヤリストの結集を阻止するために民兵を集め、準備を始めました。

戦闘の経過

2月27日の早朝、ロイヤリストはムーアズクリーク橋に到達しましたが、彼らの動きはパトリオットによって予測されていました。ロイヤリストは計画通り進行しましたが、橋に到着した際には既にパトリオットが防御を構築しており、激しい戦闘が繰り広げられました。ロイヤリストは刀を振りかざし、橋を渡って突撃しましたが、パトリオットのマスケット銃の集中攻撃に遭い、ロイヤリストの指導者の一人が戦死し、多くが捕虜となりました。戦闘は短時間で終了し、ロイヤリストの部隊は動揺し散り散りになりました。

戦闘後の影響

この戦いの結果、パトリオット側は約850人のロイヤリストを逮捕し、多くを仮釈放したものの、その指導者たちはフィラデルフィアに送られました。また、ロイヤリストの宿営地を確保したことによって、パトリオットは大量の武器を押収し、支持を確実なものにしました。この戦闘の影響は大きく、ノースカロライナ州で独立派を優位に立たせるきっかけとなり、ロイヤリストの過半数は独立戦争の後半に呼びかけに応じることをためらいました。

戦場の保存

ムーアズクリークの戦場跡地は19世紀末に私人の手によって保存され、その後州政府の財政支援が加わりました。1926年に連邦政府によって国立軍事公園に指定され、以後、アメリカ合衆国国立公園局が管理しています。この戦闘を記念するイベントが毎年行われ、戦争の重要な一幕を今に伝えています。

まとめ

この戦いはロイヤリストとパトリオットの力関係に大きな変化をもたらし、アメリカ独立戦争の歴史において重要な位置を占めます。ノースカロライナにおけるパトリオットの勝利は、独立への道筋を確かなものにし、後の歴史にも深い影響を及ぼしました。

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