メガマート

メガマート：イオングループのディスカウントストアの歴史

メガマートは、イオングループがかつて運営していたディスカウントストアです。「いつでも、おとくな、メガマート」というキャッチフレーズで知られていました。1990年代初頭、当時のジャスコ株式会社が、ウォルマートなどの海外ディスカウントストアを参考に、低価格運営を目指して開発した業態でした。食品以外の商品を主に扱っていましたが、菓子や飲料、アルコール類などの加工食品に加え、一部店舗では牛乳や豆腐といった生鮮食品も販売していました。

当初は単独店舗での展開が計画されていましたが、[マックスバリュ]]ー（当時）の新業態計画と連携し、ネイバーフッド型ショッピングセンター]やコミュニティ型[ショッピングセンター]、[パワーセンター]などの核店舗として位置づけられるようになりました。店舗のロゴは[[黄緑を基調とし、建物は塔屋下部が流線形であることが多かったです。

1992年には、ジャスコはホームセンター大手のケーヨーと石黒ホーマ（当時）と業務・資本提携を行い、合弁会社「ケーヨージャスコ」と「イシグロジャスコ」を設立。メガマートの出店はこれらの会社も担っていました。しかし、1995年にイシグロジャスコが石黒ホーマと合併してホーマックとなり、2000年にはケーヨージャスコがケーヨーの完全子会社となったことで、資本提携関係は解消されました。このため、北海道と東北地方のメガマートは「ホーマック」（その後「DCMホーマック」、「DCM」に改称）に、ケーヨージャスコ運営の店舗は「デイツー」または「ケーヨーデイツー」（その後DCM）に転換していきました。結果的に、メガマートはイオン株式会社（2001年にジャスコから改称）の単独事業となりました。


2000年代に入ると、イオンはスーパーセンター業態のイオンスーパーセンターへの出店を加速させたため、メガマートの新規出店は減少しました。さらに、マックスバリュ西日本（当時）が展開していた「ザ・ビッグ」がイオングループにおける新たなディスカウントストアの柱となり、メガマートは「ザ・ビッグ」への転換、またはマックスバリュからの「ザ・ビッグ」への転換・移転のために閉店する店舗も出て、店舗数は減少傾向となりました。2008年のイオンの純粋持株会社化に伴い、メガマートの運営はイオンリテールに移管されましたが、2011年にはイオンビッグとマックスバリュ長野へ事業譲渡されました。

最後のメガマート店舗であった三重県津市の芸濃店が2014年1月に閉店したことで、メガマートは歴史の幕を閉じました。その後、これらの店舗の多くは「ザ・ビッグ」に転換されました。


過去に存在したメガマート店舗

メガマートは全国各地に展開していました。その数は膨大であり、本稿では全ての店舗を網羅することはできませんが、代表的な地域と店舗の一例を以下に示します。各店舗は、その後「ザ・ビッグ」など他の業態に転換されたり、解体されたり、他の商業施設に建て替えられたりと、様々な運命を辿りました。 それぞれの店舗の開店・閉店時期、面積、そして現在の状況（解体済、他業態への転換など）は、当時の状況や地域特性によって大きく異なっています。 以下は、その一部の例です。


東北地方: 青森県（藤崎店、柏店、下田店）、秋田県（広面店、大館店）、山形県（酒田店）、福島県（郡山店）など。多くはホーマック系列に転換、もしくは解体されています。

関東地方: 栃木県（那須店）、群馬県（吉岡店）、など。一部はザ・ビッグに転換、もしくは解体されています。

甲信越・北陸地方: 石川県（野々市店）、長野県（穂高店、茅野店、山形店、しおだ野店、信州池田店）など。ザ・ビッグへの転換やケーヨーデイツーへの転換、解体など、様々なケースが見られます。野々市店は唯一イオングループのGMS店舗（イオン）に転換されました。

東海地方: 静岡県（浜岡店、磐田店、湖西店、大須賀店、蒲原店）、愛知県（豊橋神野店、蒲郡店、刈谷店、東浦店、ワンダーシティ店）、岐阜県（可児店、垂井店、養老店、輪之内店、岐阜池田店）、三重県（大安店、四日市店、菰野店、芸濃店、松阪川井町店）など。多くの店舗がザ・ビッグに転換されています。

近畿地方: 滋賀県（高月店）など。

中国地方: 岡山県（イオン倉敷店、平島店、鴨方店、一宮店、連島店、和気店）、広島県（福山一文字店）、山口県（平生店）など。多くの店舗がザ・ビッグに転換されました。

* 四国地方: 香川県（豊中店、寒川店、多度津店）、徳島県（上板店）、愛媛県（新居浜店）など。多くの店舗がザ・ビッグに転換されました。

これらの店舗は、それぞれの地域におけるショッピングセンターの中核を担っていましたが、イオングループの業態転換戦略に伴い、メガマートというブランドは消滅しました。しかし、その跡地には現在も様々な商業施設が建ち並び、地域社会に貢献し続けています。


メガマートの歴史は、イオングループの戦略転換とディスカウントストア業界の変遷を反映したものです。低価格路線を追求したメガマートは、時代の流れの中で新たな業態に道を譲ることとなりましたが、その存在は日本の流通業界の歴史に刻まれています。

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