メジロワース

メジロワース：平地と障害の二刀流で輝いた名馬の軌跡

1985年4月17日生まれのメジロワースは、日本の競馬史に名を刻んだ競走馬です。華麗な平地競走での活躍と、障害競走での驚異的な勝利数を誇り、多くのファンを魅了しました。その生涯を、詳細に見ていきましょう。

華々しいデビューと挫折、そして転身

1987年11月、京都競馬場での新馬戦でデビュー。見事な走りで2着に5馬身差をつける圧勝劇を演じました。続く阪神3歳ステークスでは2番人気に推されましたが、7着と結果を残せず、その後は骨膜炎のため長期休養を余儀なくされます。

1989年1月の復帰後も、持ち前の能力を発揮。条件戦で活躍し、1990年にはマイラーズカップで格上挑戦ながら優勝という快挙を成し遂げました。中団から直線で突き抜ける豪快な走りで、2着のスカイジャイアントに半馬身の差をつけての勝利は、多くの競馬ファンに衝撃を与えました。しかし、その後は勝ち星に恵まれず、新たな道を模索することになります。

平地競走での苦戦を経て、メジロワースは障害競走への転向を決断します。1990年6月、阪急杯で12着に終わったわずか3週間後、障害競走に初挑戦したのです。

障害競走での圧倒的な強さ

障害競走初挑戦から、メジロワースは驚異的な強さを見せつけます。未勝利クラスから勝ち上がり、オープン入りを果たすと、中京障害ステークス（秋）では、中山大障害勝ち馬パンフレットなどを抑え、1番人気に応える圧勝劇を演じました。レコードタイムでの優勝は、その実力の高さを証明するものでした。

その後も、数々の障害競走で活躍を続けます。1991年の春には中京障害ステークスで自己記録を更新する圧勝劇を演じ、ライバルであるシンボリクリエンス、シンクロトロンへの雪辱を果たしました。そして、中京障害ステークス（秋）では、63キロという斤量を背負いながらも3連覇を達成。軽量馬ウインドブレーカーの追撃を退け、再びレコードタイムを更新する偉業を成し遂げました。

しかし、1992年には種子骨を骨折し、長期休養を余儀なくされます。復帰後も高いレベルで活躍を続けましたが、1994年10月の障害オープンでタイヤンに敗れたのを最後に、競走馬としての生涯を終えました。

輝かしい記録

メジロワースは、平地と障害を合わせてJRAのレースで通算17勝という輝かしい記録を残しました。そのうち16勝は平成時代に挙げたものであり、JRA所属競走馬のJRA主催レースでの勝利数としては、オジュウチョウサン、ハクサンツバメと並ぶ最多勝タイ記録となります。この記録は、その類まれな才能と努力の賜物と言えるでしょう。

引退後と不明な消息

引退後は、立教大学の馬術部の競技馬として活躍したと伝えられています。2008年7月まで競技馬として活動していたとみられていますが、2009年には乗馬登録が抹消され、以降の消息は不明となっています。功労馬繋養展示事業の対象にもなっていないため、その後のメジロワースの行方は、多くの関係者の心を痛ませる大きな謎として残されています。

メジロワースは、その類まれな能力と、平地と障害の両方で活躍した稀有な存在として、日本の競馬史に永遠にその名を刻むでしょう。その活躍は、多くの競馬ファンにとって、忘れられない記憶として語り継がれていくことでしょう。

もう一度検索