メスカリン・ドライヴ

メスカリン・ドライヴ（MESCALINE DRIVE）

メスカリン・ドライヴは、1984年に日本で結成されたガールズ・ミクスチャー・ロック・バンドで、特にそのユニークな音楽スタイルとカルト的な人気で知られています。バンドは、ソウル・フラワー・ユニオンの前身の一つとも言われ、彼女たちの音楽は多くのファンに愛されています。

結成と音楽的スタイルの変遷

1984年12月に、ギター担当の伊丹英子とベースのケイトが、内海洋子というバイリンガル・ヴォーカリストと出会ったことで、メスカリン・ドライヴは誕生しました。初期は、T・レックスやニューヨーク・ドールズなどの重厚なグラム・ロックに影響されていましたが、伊丹英子の主導により、次第にニューヨーク・パンクや60年代のガレージ・サイケの要素を取り入れていきました。

内海洋子の力強いヴォーカルと、伊丹英子の斬新なギターサウンドは、当時の流行とは一線を画し、独自の存在感を放っていました。彼女たちは「和製ジャニス」や「和製パティ・スミス」とも称され、バンド・ブームの中でも特異な人気を得ました。

コラボレーションとレーベル設立

1986年以降、メスカリン・ドライヴはニューエスト・モデルとのコラボレーションを強化し、1988年には自主レーベル「ソウル・フラワー・レコード」を設立しました。このレーベルは、独立した音楽制作を可能にする貴重な拠点となったのです。

1989年には、メジャー・レーベルから2ndアルバム『スプーニー・セルフィッシュ・アニマルズ』をリリースしました。このアルバムでは、英語の歌詞が主流だった時代に、伊丹英子が手がけた日本語のユニークな歌詞が登場し、多くのリスナーに新たな感覚を提供しました。続く3rdアルバム『イデオロギー・クッキング』では、実際の社会問題をテーマにした深い内容が展開されました。

ライブとカバー楽曲

メスカリン・ドライヴの魅力の一つは、その選曲のマニアックさです。彼女たちはシルヴァーヘッドやパティ・スミス、ボブ・ディランなどの楽曲をライブで披露し、その多くは2009年にリリースされたコンピレーション『アーリー・ソウル・フラワー・シングルズ』にも含まれています。

活動の終焉とその後

1993年には「寿町フリー・コンサート」と「本牧ジャズ祭」に出演した後、メスカリン・ドライヴは9年間の活動を終え、ニューエスト・モデルと統合してソウル・フラワー・ユニオンを結成しました。メンバーであった伊丹英子と内海洋子は、現在もソウル・フラワー・モノノケ・サミットで共に活動しており、時折ソウル・フラワー・ユニオンのライブにも参加しています。彼女たちの楽曲は、今も新たな世代に引き継がれ、愛され続けています。

メンバーとその役割

メスカリン・ドライヴは、1984年から1993年にかけて様々なメンバーの入れ替わりがありました。伊丹英子は主にギターを担当し、内海洋子はヴォーカルを務めました。彼女たちの音楽は、メンバーによる多様なアプローチが加わり、常に進化し続けました。最終期には、様々なゲストミュージシャンの参加もあり、作品の幅を広げました。

メスカリン・ドライヴの影響力は、今なお多くの音楽ファンに受け継がれており、彼女たちの楽曲がライブで演奏されることも珍しくありません。彼女たちの存在は、日本のロックシーンにおいて特別な位置を占め続けています。

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