メタス

メタス（METHUSS）

メタスは、1985年に放送された『機動戦士Ζガンダム』に初めて登場した、エゥーゴによって運用される試作型の可変モビルスーツ（TMS）です。特徴的な黄色の機体色やモビルアーマー（MA）形態としての独自の設計を有し、上半身と下半身がアクチュエーターで接続されている点が大きな魅力です。メタスは、レコア・ロンドやファ・ユイリィといったキャラクターによって搭乗され、物語の中で重要な役割を果たしています。

設定背景

メタスは、エゥーゴとアナハイム・エレクトロニクス（AE社）による可変MS開発計画「Ζ計画」の一環として開発されました。AE社は1980年代から可変MSの実用化を目指しており、メタスはその中で、存在するアクシズの技術やガザCから取得したデータを活用して設計されました。元は作業用MSの改良型で、特に遠距離対艦戦やドッグファイトに秀でた性能を持っていましたが、機体の耐久性が不足していたため、量産化には至りませんでした。

MS形態と武装

メタスの頭部には、変形時に省スペース化を考慮したモノアイシステムが採用されており、2基のモノアイがそれぞれ水平方向と垂直方向に動きます。胴体部の接続は3本のアクチュエーターのみで行われているため、構造的には脆弱で格闘戦には向かない設計となっています。それでもメンテナンス性に優れ、様々な戦闘状況に対応する能力を持っています。

背部のユニットにはプロペラントタンクが内蔵され、武装としてはアーム・ビーム・ガンを搭載しており、格闘用のビーム・サーベルも装備しています。特筆すべきは、このビーム・サーベルがヒートホーク状に変形できる点で、三次元的な戦場での対応力を高めています。

MA形態

メタスはMA形態に変形させることで、その本来の能力を発揮します。肩部と脚部を連結し、着陸時にはランディング・スキッドを使用します。MA形態は加速性能や運動性能に優れ、宇宙戦闘機としての高性能を実現しています。この状態では防御力も高まり、ミッションによっては高威力のアーム・ビームガンを用いて敵の攻撃をかわしながら反撃することが可能です。

劇中での活躍

メタスは、テレビ版『Ζガンダム』の第22話で初めて登場しました。主にレコア・ロンド少尉がパイロットを務め、その後ファ・ユイリィがその役割を引き継ぎました。物語を通じて、メタスは高い機動性を活かしつつ非力な部分も描かれ、多くの戦場でその姿を見せています。劇場版『機動戦士Ζガンダム A New Translation』でも引き続き重要な役割を果たし、その運用の幅が広がっています。

バリエーション機

メタスには、個別にアレンジされたバリエーション機が登場しています。例えば、エーヴィ・アルヴァ専用機は実戦用に強化された機体であり、重装備仕様では火力の不足を補うための武装が追加されています。また、ガンキャノン・ディテクター、西洋経験を経たメタスXシリーズなど、さまざまな形で登場し、その設定の幅広さを提示しています。

最後に

メタスはそのユニークなデザインや多彩なバリエーションによって、ガンダムシリーズの中で特異な位置を占めています。今後も様々なメディアでの出現が期待される機体であり、ファンにとっては欠かせない存在となっています。これまでの物語の中で培われた設定やデザインは、今後も魅力的な展開を見せることでしょう。

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