メダル・オブ・オナー (ゲームソフト)

メダル・オブ・オナーシリーズ

『メダル・オブ・オナーシリーズ』（Medal of Honor、略称：MOH）は、エレクトロニック・アーツによってリリースされている、第二次世界大戦を中心とした戦争をテーマにした一人称視点シューティングゲームです。このシリーズの名は、アメリカ合衆国の名誉勲章に由来し、初作は1999年に登場しました。その後、最新作である『Medal of Honor: Above and Beyond』は2020年にリリースされています。

歴史

初作『Medal of Honor』の開発

初代の制作を手掛けたのはDreamWorks Interactive（DWI）で、1995年に設立されたこの会社は、映画界の巨匠スティーヴン・スピルバーグが共同創業者として名を連ねていました。スピルバーグは、映画『プライベート・ライアン』の製作中にゲームを開発するアイデアを提案し、それが後の『Medal of Honor』となります。彼の意図は、若い世代に第二次世界大戦への関心を持たせることでした。

当初はFPSとしては地味なところがありましたが、スピルバーグの協力により、ゲームは非常に印象的なものに仕上がりました。原作映画の成功も味方となり、グラフィックやAIにおいて先進的な技術が取り入れられ、プレイヤーの行動に対して敵がリアルに反応する様子が特徴的でした。音楽や音響効果にも力が入れられ、さらに軍事アドバイザーとしてダイル・ダイ元海兵大尉が参加するなど、リアリズムが追求されました。

以降のタイトル

シリーズはその後も続き、2000年には『Medal of Honor: Underground』がリリースされました。この作品は実在のOSSエージェントに基づいており、DWIはその後エレクトロニック・アーツにより買収され、EAロサンゼルスに名を改めました。

2002年にはPC向け初のタイトル『メダル・オブ・オナー アライドアサルト』が登場し、多人数でのマルチプレイヤーモードが実装されたことで大きな注目を集めました。この作品では『プライベート・ライアン』の演出が数多く取り入れられ、リアリズムを追求する形でチームで行動するシーンが増えました。

その後も、シリーズは『メダル・オブ・オナー 史上最大の作戦』や『ライジングサン』等、多くのタイトルを発表し続け、特に『エアボーン』は自由度の高いゲームプレイが評価されています。さらに、モバイル機器向けにもタイトルが展開され、さまざまなプラットフォームでエンターテイメントを提供しました。

近年のリブート

シリーズは2010年に近代的なアフガニスタン戦を舞台としたリブート版『メダル・オブ・オナー』を発表しましたが、続編となる『ウォーファイター』は批評家から厳しい意見を受けてしまいました。その後、エレクトロニック・アーツは本シリーズの定期的なリリースを見直し、リソースを他のプロジェクトへと移行しました。

2020年には再び第二次世界大戦をテーマにしたVRタイトル『Medal of Honor: Above and Beyond』が登場し、シリーズの原点を再確認する形となりました。

コール・オブ・デューティシリーズとの関係

『メダル・オブ・オナー』シリーズは、特に『アライドアサルト』の成功により大きな注目を集めましたが、その開発者の一部が『コール・オブ・デューティ』を制作するために独立したことで、両シリーズ間には競争が生まれました。特に『コール・オブ・デューティ』は『メダル・オブ・オナー』のスタイルを模倣し、同時にリリースされたタイトル同士が連携していく中で、より現代的な戦争の描写へとシフトしていきました。

評価と影響

第一作は映画的な表現で第二次世界大戦を描いた初のビデオゲームとも言われ、ゲームと映画の融合の成功例として高く評価されています。12作においての売上は2800万本を超え、シリーズは「最も売れた第二次世界大戦のビデオゲームシリーズ」として認識されています。特にWii版『ヒーローズ2』は、そのオンラインプレイで注目され、FPSの進化に寄与しました。

まとめ

『メダル・オブ・オナーシリーズ』は、FPSジャンルにおいて歴史的意義を持つ作品群であり、ゲームデザインやストーリーテリングへの影響を与え続けています。その実績からも、今後の展開に注目が集まることでしょう。

もう一度検索