メトロノース (競走馬)

メトロノースは、2005年生まれの競走馬。その馬名は、アメリカの鉄道会社から名付けられました。5,000万円（5万円×1,000口）という高額な募集価格でキャロットファームからデビュー。期待を一身に背負い、2008年、デビューを目指しました。しかし、デビュー戦は幾度ものゲート試験不合格や左前脚の負傷により、当初予定されていた6月からのデビューは大きくずれ込みます。

8月、ようやく小倉競馬場でデビューを果たすと、その後はダートレースに転向。9月には初勝利を挙げると、勢いに乗って北海道2歳優駿で重賞初制覇を成し遂げました。続く全日本2歳優駿では4着と健闘するも、勝利には至りませんでした。

3歳となったメトロノースは3ヶ月の休養を経てレースに復帰。しかし、思うような結果を残せず苦戦が続きました。それでも、12月の摩耶ステークスで勝利を収め、持ち前の能力を見せつけます。その後、長期休養を挟みながら、2010年秋には京都オータムプレミアムなどでレースに参加。好走する場面もありましたが、なかなか勝利には届きませんでした。

5歳となった2011年は初日の出ステークスなどに出走するも、思うような結果が出せず、再び長期休養に入りました。2012年に復帰したものの、中央競馬では勝ち星に恵まれません。数々のレースを経験するも、着順は低迷し、2013年4月、陽春ステークスを最後に地方競馬へ移籍することとなります。

地方競馬では、移籍緒戦こそ4着に終わりますが、その後、新設重賞の九千部山賞で優勝。2008年の北海道2歳優駿以来、約4年8ヶ月ぶりの重賞制覇となりました。さらに黒髪山特別、吉野ヶ里記念と重賞を連勝。交流重賞のサマーチャンピオンでも4着と好走を見せました。しかしその後は勝ち星から遠ざかり、2015年には浦和、高知と転厩を繰り返します。

高知競馬では18戦9勝という成績を残し、2016年9月10日、現役を引退しました。引退後は徳島県の乗馬クラブで乗馬として第二の人生を歩み始めました。その名は「アルヴァン」と改められ、新たな場所で人々を魅了し続けていることでしょう。

メトロノースの血統背景にも注目です。母はマンハッタンで、その半妹の仔にはケイアイチョウサンとオジュウチョウサンといった活躍馬がいます。祖母ユーワジョイナーの全兄にはユーワフォルテ（新潟大賞典優勝馬）、その仔にはアルアラン（ブリーダーズゴールドカップ、オグリキャップ記念優勝馬）といった名馬も輩出しています。

メトロノースは、華々しいデビューから地方競馬での活躍、そして乗馬としての第二の人生まで、数々のドラマチックな物語を刻んだ競走馬でした。その競走生活の軌跡は、多くの競馬ファンに感動と記憶を呼び起こすことでしょう。数々の試練を乗り越え、持ち前の力強さと粘り強さで走り続けたメトロノースの生涯は、まさに競走馬としての生き様そのものでした。その活躍は、競馬史に燦然と輝く一ページを刻み込んだと言えるでしょう。

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