メトロライナー (列車)

メトロライナー：ワシントンD.C.とニューヨーク市を結んだ伝説の高速列車

メトロライナーは、アメリカ合衆国東海岸の主要都市であるワシントンD.C.とニューヨーク市を結んだ、かつて存在した高速旅客列車です。1969年から2006年まで、多くの乗客を運びました。その運行期間は約37年間に及び、アメリカの鉄道史に大きな足跡を残しています。

高速運行と快適な車内空間

メトロライナーは、ペンシルバニア駅（ニューヨーク）とユニオン駅（ワシントンD.C.）を最短2時間30分、最長3時間40分で結びました。これは、当時としては非常に高速な運行でした。現代の高速列車と比較すると、現在のノースイーストリージョナルと所要時間は近似しますが、メトロライナーにはビジネス席に加え一等席（ファーストクラス）が設けられており、快適な旅を提供していました。

運行開始から廃止まで

メトロライナーの運行は、ペンシルバニア鉄道とニューヨーク・セントラル鉄道の合併により誕生したペン・セントラル鉄道によって1969年1月16日に開始されました。当初は、バッド社製の専用高速電車を使用し、ワシントンとニューヨーク間を1日1往復運行していました。その後、運行本数が増加し、ワシントンとニューヨーク間のノンストップ運行も開始されました。

最高速度は当初、時速120マイル（約193km/h）に達していましたが、1970年代には時速100～110マイル（約160～177km/h）に引き下げられました。1971年には、アムトラックに運行が移管されました。

しかし、高速運転による車両の故障が頻発したため、1982年には電気機関車牽引の客車列車に変更されました。牽引にはAEM-7型電気機関車が使用され、メトロライナー電車をベースとしたアムフリート客車が連結されました。最高速度は再び引き上げられ、時速120マイル（約193km/h）、後に時速125マイル（約201km/h）に達するようになりました。

2001年、新たな高速列車であるアセラ・エクスプレスの運行開始に伴い、メトロライナーの運行本数は減少しました。そして、2006年10月27日、メトロライナーは廃止されました。廃止時点では、平日の1日1往復のみの運行となっていました。

メトロライナーの遺産

メトロライナーは、その高速性と快適性から多くの乗客に愛されましたが、車両の老朽化や、より新しい高速列車の登場により、その役目を終えました。しかし、メトロライナーは、アメリカの鉄道史における重要な存在として記憶されています。その歴史は、現代の高速鉄道システムの発展に大きな影響を与えたと言えるでしょう。また、メトロライナーで使用された車両や技術は、後の鉄道車両開発にも貢献しました。メトロライナーの運行は終了しましたが、その功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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