メヌエット (ペツォールト)

メヌエットについて

『メヌエット』は、クリスティアン・ペツォールトによって作曲された2曲の鍵盤楽器用小品を指します。これらの楽曲は、以下の2つで構成されています。

ト長調（BWV Anh. 114）
ト短調（BWV Anh. 115）

これら2曲は、演奏会などで続けて演奏されることが多く、その親しみやすい旋律から、多くの人々に愛されています。

作曲者について

近年、音楽学者のハンス＝ヨアヒム・シュルツェらの研究により、これらのメヌエットの作曲者はクリスティアン・ペツォールトであると結論付けられました。しかし、長年にわたり、これらの曲はヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品として認識されてきました。

その理由は、バッハが自身の2番目の妻であるアンナ・マクダレーナに贈った「アンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳」に、この2曲を収録した際に、ペツォールトの名前を伏せたためです。このことから、「バッハのメヌエット」として広く親しまれることとなりました。

ポピュラー音楽への影響

特にト長調のメヌエットは、後にアメリカのソングライターであるサンディ・リンザーとデニー・ランドルによって、「ラヴァーズ・コンチェルト」というタイトルでポピュラーソングに編曲されました。この曲は、多くのアーティストによってカバーされ、世界中で愛されるスタンダードナンバーとなっています。

様々な作品での使用

メヌエットは、ゲームやアニメーションなど、様々な作品にも使用されています。以下に代表的な例を挙げます。

実況おしゃべりパロディウス：コナミのシューティングゲームで、ステージ3のBGMとしてアレンジされたものが使用されています。
太鼓の達人：バンダイナムコエンターテインメントの音楽ゲームで、「メヌエット」のタイトルでアレンジされたものが収録されています。
ノスタルジア：コナミデジタルエンタテインメントの音楽ゲームで、演奏時間が1分10秒と全曲中2番目に短い楽曲として収録されています。
とんがりボウシと魔法の365にち：コナミデジタルエンタテインメントのコミュニケーションゲームで、アレンジされたものがBGMとして使用されています。
evio：タカラトミーのヴァイオリン型電子玩具で、別売りソフト「コンチェルトセレクション」に収録されています。ただし、出典は「J.S.バッハ」となっています。
音楽ファンタジー・ゆめ：NHK教育テレビジョンのCGアニメーション番組で、1992年9月28日放送の第25回「メヌエット」で使用されました。この番組でも、作曲者クレジットはヨハン・ゼバスティアン・バッハとなっていました。

外部リンク

メヌエット ト長調の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)
メヌエット ト短調の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

これらの外部リンクでは、それぞれの楽譜を閲覧することができます。

このように、『メヌエット』は、その美しい旋律と、バッハの作品と誤解されていた歴史を持つ、非常に興味深い楽曲です。幅広い分野で愛され続けているこの曲を、ぜひ一度聴いてみてください。

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