鍵盤楽器とは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

鍵盤楽器の概要

鍵盤楽器とは、鍵盤の操作によって音を出す楽器の総称です。代表的なものにはオルガン、チェンバロ、ピアノなどがあり、1980年代以降は電子楽器としてのシンセサイザーも広く普及しました。

歴史的背景

鍵盤楽器の起源は古く、紀元前3世紀頃に発明された「ヒュドラウリス」と呼ばれる水オルガンが最初の鍵盤楽器とされています。この楽器は、圧力で水を利用して音を鳴らし、その後ヨーロッパに伝わることでオルガンとしての進化が始まりました。11世紀には、テオフィルスがオルガンの機構図を記した際に、並べられた平板を前後させて操作する様子が記録され、鍵盤楽器の一形態が確立されています。

12世紀のハーディング聖書には鍵盤の上下動作を示す挿絵があり、その頃にはさらに発展した形をみせています。この時代の楽器演奏において、より複雑な音楽表現ができるようになるためには、鍵盤の形状や配置が重要な要素となっていました。指を使って一音ずつ奏でる方式が導入され、キーが横に配置された楽器が登場します。このように、演奏のスタイルや楽器の構造が進化する中で、鍵盤楽器は多様化していきました。

15世紀の「ヘントの祭壇画」には、現代の鍵盤楽器の形に近いデザインの鍵盤が描かれています。その後、オルガンの手鍵盤が現在のスタイルにほぼ整形されると同時に、クラヴィコードやチェンバロなどの弦[[楽器]]も一般的となっていきます。また、手鍵盤を補うために足で操作する鍵盤も導入され、多様な形状の鍵盤が考案されますが、最終的には手鍵盤に似た大きな足鍵盤が主流になるなど、鍵盤楽器の発展は多岐にわたります。