メリッサ (アルバム)

『メリッサ』（Melissa）は、デンマークのヘヴィメタルバンド、マーシフル・フェイトが1983年に発表した初のフルアルバムです。このアルバムは、バンドの音楽性を確立し、後のヘヴィメタルシーンに大きな影響を与えました。

背景

1982年11月にデビューEPを発表後、マーシフル・フェイトはロードランナー・レコードと契約し、本作の制作を開始しました。タイトル曲「メリッサ」は、中世の魔女を題材としており、当時のライブでは、祭壇にメリッサの頭蓋骨を飾るという演出が行われ、観客を魅了しました。

音楽的特徴

『メリッサ』は、ネオクラシカルなギターワークと、キング・ダイアモンドの独特なボーカルが特徴です。高音のファルセットとグロウルを使い分ける彼のボーカルスタイルは、他のバンドにはない個性を生み出しています。楽曲は、オカルトやホラーをテーマにしたものが多く、歌詞も独特の世界観を持っています。

評価と影響

『メリッサ』は、発表当時から高い評価を受け、現在でも多くのファンに愛されています。1985年には、収録曲「イントゥ・ザ・コヴェン」がアメリカの音楽検閲委員会PMRCによって「最も不快な15曲」の一つに挙げられましたが、これはバンドの知名度を高めることにも繋がりました。キング・ダイアモンドはPMRCを批判し、表現の自由の重要性を訴えました。

メタリカは、カバーアルバム『ガレージ・インク』で、「セイタンズ・フォール」など5曲をメドレーにした「マーシフル・フェイト」を収録し、彼らへの敬意を表しました。また、スレイヤーのケリー・キングは、本作を「最も影響力のあるギター・アルバム5選」の一つに挙げています。

収録曲

1. イーヴル - "Evil"
2. カース・オヴ・ザ・ファラオス - "Curse of the Pharaohs"
3. イントゥ・ザ・コヴェン - "Into the Coven"
4. アット・ザ・サウンド・オヴ・ザ・ディーモン・ベル - "At the Sound of the Demon Bell"
5. ブラック・フューネラル - "Black Funeral"
6. セイタンズ・フォール - "Satan's Fall"
7. メリッサ - "Melissa"

参加ミュージシャン

キング・ダイアモンド - ボーカル
ハンク・シャーマン - リードギター
マイケル・デナー - リードギター
ティミ・ハンセン - ベース
* キム・ラッズ - ドラムス

『メリッサ』は、マーシフル・フェイトの代表作であると同時に、ヘヴィメタル史における重要なアルバムの一つです。オカルトをテーマにした歌詞、独特なボーカルスタイル、ネオクラシカルなギターワークが融合した本作は、多くのミュージシャンに影響を与え、現在でも多くのファンを魅了し続けています。

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