メリテネの戦い

メリテネの戦い

メリテネの戦いは、1100年にアンティオキア公ボエモン1世率いる十字軍勢力と、ダニシュメンド朝の指導者ダニシュメンド・ガーズィー率いるトルコ軍との間で、アナトリア半島東部の都市マラティヤ（当時のラテン語名メリテネ）で発生した戦闘です。

戦闘の背景

1098年にアンティオキア公となったボエモン1世は、キリキア・アルメニア王国と同盟関係を築いていました。当時、メリテネを統治していたガブリエルとそのアルメニア人駐留軍が、北方から勢力を拡大していたダニシュメンド朝の攻撃を受けることになりました。これに対し、ボエモン1世は救援のため、フランク人部隊を率いてメリテネへ駆けつけました。

戦闘の経過

ダニシュメンド・ガーズィーは、ボエモン1世率いる十字軍を待ち伏せし、奇襲を仕掛けました。この戦いで、十字軍勢力は壊滅的な打撃を受け、「十字軍のほとんどが殺された」と伝えられています。また、マラシュとアンティオキアのアルメニア人司教もこの戦闘で命を落としました。ボエモン1世自身も、リカルド・ディ・サレルノと共に捕虜となってしまいました。

戦闘の影響

1101年に実施された十字軍遠征の目的の一つは、捕虜となったボエモン1世の救出でした。しかし、この遠征もダニシュメンド朝によって撃破され、失敗に終わりました。ボエモン1世は、身代金目的で1103年まで捕虜として囚われることとなりました。

メリテネでの敗北は、第1回十字軍以降、連勝を続けてきた十字軍勢力にとって初めての敗戦であり、その後の歴史に大きな影響を与えました。エデッサ伯でエルサレム王でもあったボードゥアン1世は、メリテネの包囲を解きましたが、十字軍がボエモン1世の身代金交渉をしていた隙をついて、ダニシュメンド朝は1103年にメリテネを奪取し、ガブリエルを処刑しました。

参考資料

* Eggenberger, David. An Encyclopedia of Battles. New York: Dover Publications, 1985. ISBN 0-486-24913-1

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