メリフ・デミラル

メリフ・デミラル：トルコのディフェンダー、そのキャリアと論争

メリフ・デミラル（Merih Demiral）は、1998年3月5日生まれ、トルコ・カラミュルセル出身のプロサッカー選手です。現在はサウジ・プロフェッショナルリーグのアル・アハリ・サウジFCでディフェンダーとしてプレーし、トルコ代表としても活躍しています。

プロとしてのキャリア

デミラルはスポルティングCPのリザーブチームでプロとしてのキャリアをスタートさせました。その後、2019年7月5日にサッスオーロからユヴェントスFCへ移籍。契約期間は2024年までの5年間で、移籍金は1800万ユーロと報じられました。ユヴェントスではトルコ人初の選手として注目を集めました。

2021年8月6日には、アタランタBCへのレンタル移籍が発表され、アタランタは買取オプションを保有していました。2022年6月17日、アタランタはその買取オプションを行使し、デミラルはアタランタへ完全移籍しました。

しかし、2023年8月19日、デミラルはアル・アハリ・サウジFCに3年契約で移籍し、新たな挑戦を始めています。

背番号への想い

ユヴェントスとアタランタでは、一貫して背番号28番を選んでいました。これは、彼が14歳の時に亡くなった母親の命日、2012年12月28日に由来するもので、母親への深い愛情と追悼の念が込められています。

物議を醸したパフォーマンス

デミラルは、そのプレーだけでなく、ピッチ上での行動が度々議論を呼んでいます。

ユーロ2020予選での軍隊式敬礼

2019年10月11日に行われたユーロ2020予選のアルバニア戦で、トルコ代表の選手たちが勝利後に軍隊式敬礼を行いました。これは、当時トルコがシリア北東部で軍事作戦を展開していたことへの支持を示すものでした。デミラルもこのパフォーマンスに参加し、自身のTwitterでもトルコの軍事作戦を支持する投稿を行いました。この行動は、ユヴェントスのファンを中心に大きな批判を浴び、「DemiralOut」というハッシュタグがイタリアでトレンド入りする事態となりました。

ユーロ2024での出場停止処分：狼の敬礼パフォーマンス

さらに、2024年に行われたEURO2024のオーストリア戦でゴールを決めた際、デミラルは狼の敬礼のゴールパフォーマンスを行いました。このジェスチャーは、トルコのナショナリズムや汎トルコ主義と関連があるとされ、対戦相手であるオーストリアでは禁止されています。

試合後の記者会見で、デミラルはこれがトルコの誇りの表現であり、機会があればもう一度行うつもりだと述べました。しかし、UEFAはこのパフォーマンスについて不適切な行動の疑いで調査を開始し、最終的にデミラルに対し2試合の出場停止処分を下しました。

[トルコサッカー連盟]はこの決定に対してスポーツ仲裁裁判所（CAS）に控訴しようとしましたが、UEFAの規約によりCASには3試合未満の出場停止処分に対する権限がないことが判明し、控訴はできませんでした。これにより、デミラルは準々決勝のオランダ戦と、その後のUEFAネーションズリーグ初戦を欠場することになりました。

タイトル

デミラルはユヴェントスFCに所属していた際に、以下のタイトルを獲得しています。

セリエA：2019-20
コッパ・イタリア：2020-21
* スーペルコッパ・イタリアーナ：2020

メリフ・デミラルは、その才能と情熱的なプレースタイルで多くのファンを魅了する一方で、ピッチ内外での行動が物議を醸すことも少なくありません。今後の彼のキャリアがどのような展開を見せるのか、注目が集まります。

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