メルセデス・ベンツ・GLE

メルセデス・ベンツGLE：高級SUVの進化

メルセデス・ベンツGLEは、ドイツの自動車メーカー、メルセデス・ベンツが製造する高級SUVです。Mクラスの後継車種として位置づけられ、高い走行性能と快適性、そして先進の安全技術を兼ね備えています。アメリカのアラバマ州タスカルーサ工場で生産され、初代モデルではジープ・グランドチェロキーとプラットフォームを共有するという特徴がありました。本稿では、GLEクーペを含むGLEシリーズの全貌を解説します。

初代GLE（W166/C292型、2015年-2019年）

初代GLEは、2015年に北米国際オートショーで発表されました。既存のMクラス（W166）のマイナーチェンジモデルとして登場し、車名変更と同時に新たな魅力を備えていました。日本市場では2015年10月に発売開始。2016年には、スポーティなクーペモデルが追加され、ラインナップを拡充しました。その後も、限定車やAMGモデルの投入、エンジン出力向上など、継続的な改良が重ねられました。

2代目GLE（W167/C167型、2019年-）

2018年パリモーターショーで発表された2代目GLEは、フルモデルチェンジによる大幅な進化を遂げました。2019年6月に日本市場に導入された際、「かつてない豊かな毎日のために。」というキャッチコピーが掲げられ、その進化が示唆されました。

大きく進化した室内空間とパワートレイン

ホイールベースが80mm拡大され、3列シート7人乗り仕様も設定されました。パワートレインも全面刷新され、直列4気筒ディーゼル、直列6気筒ディーゼル、直列6気筒ガソリンターボなど、様々なエンジンが用意されました。GLEでは初となる直列4気筒ディーゼルターボエンジンや、2ステージターボチャージャーを採用した直列6気筒ディーゼルターボエンジンなど、効率性とパフォーマンスの両立が図られています。さらに、直列6気筒ガソリンターボエンジンにはISG（インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター）と48V電気システムが搭載され、マイルドハイブリッド化が実現しました。

先進の安全・快適装備

全モデルに液晶メーターとナビ画面を繋げたワイドディスプレイが標準装備。タッチパネル式を採用したナビゲーションシステム、そしてAIによる音声認識機能を搭載した対話型マルチインフォティメントシステム「MBUX」は、高い利便性と快適な車内空間を提供します。

安全装備においては、「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック＆アクティブステアリングアシスト」、「アクティブレーンチェンジングアシスト」、「アクティブブラインドスポットアシスト」など、Sクラスと同等の安全装置を標準装備し、高い安全性能を実現しています。特に「アクティブブレーキアシスト（右折時対向車検知機能付）」は、日本初の機能として注目されました。

GLEクーペの進化

GLEクーペも2019年にフルモデルチェンジ。初代モデルと比べ全長と全幅が拡大した一方で、全高を低くすることで、よりスポーティなシルエットを実現しました。エクステリアも、シングルーバーのダイヤモンドラジエーターグリルや、スリムで細長いリアコンビネーションランプなど、クーペモデルならではの個性的なデザインとなっています。エンジンラインナップは直列6気筒ディーゼルと直列6気筒ガソリンターボから選択可能です。

AMGモデル

GLEシリーズには、高性能モデルであるMercedes-AMG GLEもラインナップされています。V8ツインターボエンジンを搭載した「GLE 63 S 4MATIC+」は、圧倒的なパワーと走行性能を誇ります。

継続的な改良と進化

発売後も、GLEシリーズは継続的に改良が加えられています。一部改良では、Apple CarPlayやAndroid Autoへの対応、スマートフォン連携機能の標準装備、マイルドハイブリッド化の拡大などが行われました。2023年のマイナーチェンジでは、デザインの変更に加え、「トランスペアレントボンネット」機能など、新たな技術が導入されました。

まとめ

メルセデス・ベンツGLEは、高級SUVとして高い人気を誇るモデルです。高い走行性能、快適性、そして先進の安全技術を兼ね備え、常に進化を続けるその姿は、高級SUVの新たな基準を提示していると言えるでしょう。GLEクーペも、そのスポーティなデザインと走りが魅力の1台です。

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