メルリト・サビーリョ

メルリト・サビーリョ（Merlito Sabillo）は、1984年1月19日にフィリピンのバコロドで生まれた元プロボクサーです。同国屈指の名門として知られるALAジムに所属し、主にミニマム級で活躍しました。そのキャリアの頂点として、世界ボクシング機構（WBO）の世界王座を獲得したことで知られています。

プロキャリアの開始

サビーリョのプロボクサーとしての第一歩は、2008年1月26日に始まりました。デビュー戦で4回判定勝ちを収め、着実にキャリアを積み重ねていきました。

国内王座の獲得と防衛

プロ転向後、サビーリョはフィリピン国内で頭角を現します。2010年8月1日には、フィリピンの主要タイトルであるGABミニマム級王座をジェトリ・プリシマと争い、3-0の判定勝ちで王座を獲得しました。このタイトルは、国内での実力を示す重要なものであり、彼はその後2度にわたり王座防衛に成功し、国内チャンピオンとしての地位を確立しました。

東洋太平洋王座の獲得

国内での成功を経て、サビーリョは国際舞台へと目を向けます。2011年10月8日、OPBF（東洋太平洋ボクシング連盟）ミニマム級王座決定戦に出場し、ロデル・テハレスとの対戦に臨みました。この試合でも3-0の大差判定勝ちを収め、東洋太平洋のチャンピオンベルトを手にしました。OPBF王座も1度防衛しましたが、後に世界挑戦のためか、このタイトルは返上扱いとなりました。

世界王座獲得への道

サビーリョにとってキャリア最大のハイライトは、2013年に訪れます。同年3月9日、コロンビアのセレテーで行われたWBO世界ミニマム級暫定王座決定戦で、ルイス・デ・ラ・ロサと対戦しました。この試合は、正規王者モイセス・フェンテスが階級を上げたことで設けられたものでした。多くの予想を覆し、サビーリョは打ち合いで相手を圧倒。8回2分52秒TKO勝利を収め、暫定ながらも世界王座を獲得する快挙を成し遂げました。

正規王座認定

暫定王座獲得から間もなく、2013年4月には正規王者フェンテスの王座返上により、サビーリョが空位となったWBO世界ミニマム級正規王者に認定されました。これにより、サビーリョは名実ともに世界チャンピオンとしての地位を確立しました。

世界王座防衛

正規王者となったサビーリョは、その防衛に臨み、2度にわたり成功しました。初防衛戦は2013年7月13日、フィリピンのパサイで行われ、ホルレ・エストラーダ（コロンビア）に9回TKO勝ちを収めました。2度目の防衛戦は2013年11月30日、ケソンのアラネタ・コロシアムでWBO世界ミニマム級1位のカルロス・ブイトラゴ（ニカラグア）を挑戦者に迎えました。この試合は白熱した展開となり、12回1-1の引き分けに終わりましたが、規定により王者が引き分けの場合は防衛となるため、サビーリョは辛くも王座を守り抜きました。

王座陥落

盤石な世界王座を守り続けていたサビーリョでしたが、3度目の防衛戦で試練を迎えます。2014年3月22日、メキシコでのアウェイ戦で、フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア（メキシコ）と対戦。この試合で10回1分50秒TKO負けを喫し、プロキャリアにおける初の黒星となると同時に、WBO世界ミニマム級王座から陥落しました。

獲得タイトル

• - フィリピンGABミニマム級王座
• - OPBF東洋太平洋ミニマム級王座
• - WBO世界ミニマム級暫定王座
• - WBO世界ミニマム級王座

まとめ

メルリト・サビーリョは、フィリピン国内、東洋太平洋、そして世界の舞台で栄冠を手にした実力者です。特にWBO世界ミニマム級王者として見せたタフネスと勝負強さは、多くのボクシングファンに記憶されています。世界王座陥落後もキャリアを続けましたが、彼の全盛期は間違いなくこの世界王者時代でした。フィリピンボクシング界において、軽量級の重要な一角を占める存在でした。

もう一度検索