バコロド

バコロド市：フィリピン中部の笑顔あふれる都市

フィリピン中部ヴィサヤ諸島に位置するバコロド市は、ネグロス島最大の都市であり、ネグロス・オクシデンタル州の州都として知られています。ギマラス島やパナイ島を望む、美しい海に面した都市です。1770年に建設され、1938年に市制施行。人口は約60万人（2020年国勢調査）を数え、フィリピン中部有数の大都市として発展を遂げています。

地理と交通

バコロド市は平野部に広がり、海に向かってなだらかに傾斜した地形をしています。中心部であるシティ・パブリック・プラザは海抜約10mに位置しています。郊外にいくにつれて傾斜が大きくなります。市内にはサトウキビ畑が広がり、ネグロス島の典型的な風景を呈しています。ココナツや米の栽培、家禽の飼育、漁業、陶器生産なども盛んです。

交通の便も良く、イロイロ市とはフェリーで毎日結ばれています。また、バコロド＝シライ国際空港（シライ市）からは、マニラやセブへの空の便も充実しています。バコロド港は、フィリピン屈指のサトウキビ生産地であるネグロス・オクシデンタル州の玄関口として、重要な役割を果たしており、島内各地への陸上交通網も整備されています。

経済

バコロド市は、古くから砂糖の集散地・輸出港として栄えてきました。近年では、英語を生かしたコールセンター産業が発展しており、経済の多様化が進んでいます。

文化と祭り

バコロド市は「微笑みの街（City of Smiles）」という愛称で親しまれています。その象徴と言えるのが、毎年10月19日に行われるマスカラ・フェスティバルです。この祭りは、1980年代の砂糖価格暴落による困難を乗り越え、街の活気を取り戻すために始まりました。

「マスカラ（MassKara）」は、「多数の人々の顔」を意味する言葉で、多くの笑顔が街を満たすことを願って名付けられました。華やかなダンスパレードや美人コンテスト、物産展、スポーツ大会などが開催され、多くの観光客を集めています。

また、パナアド公園内にあるパナアド・スタジアムは、陸上競技や水泳競技などが行われる多目的スタジアムです。毎年4月末から5月初めには、パナアド・サ・ネグロスという祭典が開催され、ネグロス人の文化や歴史を紹介する場となっています。

気候

バコロド市の気候は、雨季と乾季がはっきりとしています。雨季は5月から翌年1月まで続き、8月と9月には特に強い雨が降ります。乾季は2月から4月最終週までです。

言語

バコロド市の住民の多くは、パナイ島を起源とするイロンゴ語（ヒリガイノン語）を話します。フィリピン語、セブアノ語も広く使用されており、ビジネスシーンでは英語が第二言語として用いられています。

歴史

バコロドという地名は、イロンゴ語で「石の丘」を意味する言葉に由来しています。1770年、現在のグラナダ地区周辺に最初の入植地が建設されましたが、モロ人の攻撃が激しかったことから、現在の海岸線に近い場所に移転しました。

1849年には、ネグロス島の州都がヒママイランからバコロドに移されました。フィリピン革命時には、バコロドの戦いが起こり、ネグロス共和国が一時的に成立しました。その後、アメリカ合衆国による統治を経て、1938年に市制施行されました。第二次世界大戦中は日本軍の占領を受けましたが、1945年にアメリカ軍によって解放されています。

姉妹都市

バコロド市は、世界各国に多くの姉妹都市を有しています。カナダのカムループス、インドネシアのシガラジャ、韓国の安東市、大邱広域市の西区、台湾の基隆市、アメリカのロングビーチ、フィリピンの国内各地の都市など、多様な文化交流が行われています。

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